2016 Fiscal Year Annual Research Report
医学教育アウトカム評価法としてのカルテピアレビューシステムの展開
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16H05209
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
亀岡 淳一 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (30261621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 大輝 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 講師 (30769617)
菊川 誠 九州大学, 医学研究院, 講師 (60378205)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アウトカム評価 / カルテ / ピアレビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
医学教育アウトカム評価法の一つとして、「カルテピアレビューシステム」の開発を計画し、まず、信頼性を確立した(Tohoku J Exp Med. 2014;233:189)。次に、指導医による評価との基準連関妥当性を検討した。研究協力病院(関東・中部地方の3病院)の内科外来を新患受診し、卒後3年目研修医13名が診療し、最終的に入院となった患者65名(1研修医あたり5名ずつ)の外来診療録を、評価者5名が病院を別々に訪れて、評価表(5段階15項目)に基づいて評価した。別に、各病院の指導医が研修医13名のパーフォーマンス評価(5段階10項目)を行い、両者のピアソン相関係数を解析した。結果は、「医療面接」(r=0.509)、「臨床推論」(r=0.585)、「治療」(r=0.307)、「概略評価」(r=0.306)など主要項目間で正の相関が得られた。しかし、この成果を学会その他でdiscussionしたところ、研修医数が少ないためか、3ペアのみでしか有意差(p値<0.05)が得られなかったことが問題となった。そのため、追加実施等さまざまな対策を議論した結果、bootstrap法にて解析する方針とし、7ペアにて有意差が得られ、この結果をもとに先に進む方針となった。
「初期研修を大学病院で行った場合と市中病院で行った場合のその後の診療の違い」の研究に関しては、平成28年6月26日と平成29年2月6日に、東北大学東京分室で、コアメンバー委員と評価者による議論を行った。その結果、まず、縦断的研究は方法論的に難しいという結論となり、横断的研究に絞って行う方針となった。ただ、下記理由(進捗が遅れている理由)のため、実施は、次年度に持ち越しとなった。なお、評価者プールの拡大は、上記案件を優先させるため、保留となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「初期研修を大学病院で行った場合と市中病院で行った場合のその後の診療の違い」に着手しているが、1)3年目の後期研修医が単独で外来診療を行っている病院が当初の予想よりはるかに少ないこと、2)大学病院で2年間初期研修を行って3年目に市中病院で後期研修を選択する医師が少ないこと、等から、候補病院の協力がなかなか得られず、進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目の後期研修医が単独で外来診療を行っている病院が少ない点に関しては、まず、全国81大学病院の教育責任者、および909の臨床研修マッチング参加病院の全部(あるいは一部)の教育責任者に、後期研修の実態を問うアンケートを送付する。アンケートを集計し、実態を解析した上で、候補病院を選択する。
大学病院と市中病院で初期研修を受けた医師が混在している病院として、「マッチング中間公表」のリストをもとに40病院を抽出、上記アンケートの情報も加味して、候補病院の教育担当者と連絡をとり、協力の依頼をする。承諾が得られれば、これまでに確立してきたカルテピアレビュー法を実施する。
評価者プールを、大学の教員のみならず一般病院の医師にも範囲を拡げて依頼する方針とした。
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