2018 Fiscal Year Annual Research Report
ATL発症危険因子の解明:HTLV-1感染者長期追跡コホート研究
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16H05248
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩永 正子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00372772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 俊樹 東京大学, 名誉教授, 名誉教授 (30182934)
内丸 薫 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60251203)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HTLV-1 / コホート研究 / マルチカラーFACS / ウイルスマーカー / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2002年より継続しているHTLV-1感染者追跡コホート(JSPFAD)の維持と、蓄積された経時的疫学情報と検体を用いて、マルチカラーFACS (HAS-Flow法)、ウイルスマーカー、バイオマーカー、分子マーカー情報などを組み合わせたATL発症高危険群の指標と成り得る発症予測スコアリングを構築し、ATL発症予防や早期治療介入に資するエビデンスを創出する事を目的としている。平成29年度の年間新規登録者は160例、総登録者数は3,872例、総検体数は14,497件となった。本年度の研究担当者別の進捗状況は、 1) 疫学データベース再整備:前年度から継続して関連施設データのモニタリングとデータクリーニング作業を進めた。sIL2R値の欠損データの補充も継続して作業を進めた。疫学情報についても定期的な論理checkや関連施設への問い合わせてなどで修正を行った。 2) HAS-Flow法によるATL移行細胞の経時的測定系のコホートへの応用:従来データベースで明らかにしたPVL4%以上の集団がTSLC-1+/CD7 dim~negative集団の比率が25%~50%、50%以上の集団に分けられ、前者はくすぶり型ATLとのボーダーライン症例であること、予後解析により後者が急速に急性転化する真のハイリスクグループであることを明らかにした。 3) リスクインディケータとしてのバイオマーカー探索研究:前年度から継続してHTLV-1キャリア体内の不死化感染細胞や腫瘍化における分子異常の特徴を明らかにするバイオマーカー探索作業を疫学データベースと連動したJSPFADの検体を用いて進めるとともに、更に、ベルギーのグループと共同研究で、ATL発症例を含めて経時的なクローナリティの解析を進め、ATL発症におけるクローン性増殖の意義を検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疫学データベースの再整備、HAS-Flow法によるATL移行細胞の経時的測定系の確立、バイオマーカー探索ともに予定通りに進捗し、成果発表も行い、研究行程は概ね本年度中の目標を達成していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、前年度までの整備・準備期間を踏まえ、各分担内容のさらなる進捗をはかる。 1)データクリーニング作業が終了した疫学データベースを用いてHTLV-1 キャリアからATL発症に関わるリスクと感染細胞のクローン性増殖とプロウイルス量の経年変化の解析を行うためのデータセット作成を目指す。 2)HAS-Flow法によるATL移行細胞の経時的測定系が確立した時点で、年齢・プロウイルス量・ATL移行細胞の経時的変化パターンの連動についての解析を開始する。 3)HTLV-1キャリアのうちプロウイルス量高値群と低置群の感染細胞クローンの違いを明らかにするため、両群でウイルス感染細胞を非感染細胞と区別するマーカーの比較検討を開始する。 4) 本研究領域の海外研究者との研究打ち合わせを行い国際共同研究への発展を目指す。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Revised Adult T-Cell Leukemia-Lymphoma International Consensus Meeting Report.2019
Author(s)
Cook LB, Fuji S, Hermine O, Bazarbachi A, (7 authots), Taylor G, Waldmann TA, Bittencourt A, Marcais A, Suarez F, Sibon D, Phillips A, Lunning M, Farid R, Imaizumi Y, Choi I, Ishida T, Ishitsuka K, Fukushima T, Uchimaru K, Takaori-Kondo A, Tokura Y, Utsunomiya A, Matsuoka M, Tsukasaki K, Watanabe T:
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Journal Title
J Clin Oncol
Volume: 37(8)
Pages: 677-687
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Prognostic relevance of integrated genetic profiling in adult T-cell leukemia/lymphoma.2018
Author(s)
Kataoka K, Iwanaga M, Yasunaga JI, Nagata Y, Kitanaka A, (17 authors), Imaizumi Y, Munakata W, Shide K, Kubuki Y, Hidaka T, Nakamaki T,Ishiyama K, Miyawaki S, Ishii R, Nureki O, Tobinai K, Miyazaki Y, Takaori-Kondo A, Shibata T, Miyano S, Ishitsuka K, Utsunomiya A, Shimoda K, Matsuoka M, Watanabe T, Ogawa S.
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Journal Title
Blood
Volume: 131(2)
Pages: 215-225
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Development of reference material with assigned value for human T-cell leukemia virus type 1 quantitative PCR in Japan.2018
Author(s)
Kuramitsu M, Okuma K, Nakashima M, Sato T, Sasaki D, Hasegawa H, Umeki K, Kubota R, Sasada K, Sobata R, Matsumoto C, Kaneko N, Tezuka K, Matsuoka S, Utsunomiya A, Koh KR, Ogata M, Ishitsuka K, Taki M, Nosaka K, Uchimaru K, Iwanaga M, Sagara Y, Yamano Y, Okayama A, Miura K, Satake M, Saito S, Watanabe T, Hamaguchi I.
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Journal Title
Microbiol Immunol
Volume: 62(10)
Pages: 673-676
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] CD4+CADM1+細胞集団の割合はHTLV-1キャリアおよびインドレント ATLの予後を予測する2018
Author(s)
牧山純也, 小林誠一郎, 渡辺恵理, 石垣知寛, 川俣豊隆, 中島誠, 山岸誠, 中野和民, 東條有伸, 渡邉俊樹, 内丸薫
Organizer
第5回日本HTLV-1学会 学術集会
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[Presentation] CD4+CADM1+細胞集団の割合はHTLV-1キャリアおよびインドレントATLの予後を予測する2018
Author(s)
牧山純也, 小林誠一郎, 渡辺恵理, 石垣知寛, 川俣豊隆, 中島誠, 山岸誠, 中野和民, 東條有伸, 渡邉俊樹, 内丸薫:
Organizer
第80回日本血液学会学術集会
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