2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of remodeling of the ductus arteriosus
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16H05358
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
横山 詩子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70404994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 秀次郎 横浜市立大学, 医学研究科, 共同研究員 (90381516)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 生理学 / シグナル伝達 / 動脈管 / リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
胎児期に存在する動脈管は出生後には速やかに閉鎖するが、早産児では出生後の動脈管開存症が生命予後を悪化させ、ある種の先天性心疾患では出生後にも動脈管の開存が必要である。つまり、動脈管の閉鎖と開存の制御は小児医療上極めて重要な課題である。動脈管の完全な閉鎖には、胎生中期から始まる解剖学的リモデリングである内膜肥厚が重要な役割を果たす。しかしながら現在の治療では内膜肥厚形成を制御することができておらず、十分な効果が得られていない。本研究では、動脈管の閉鎖に必要な内膜肥厚形成の分子機序を解明し、内膜肥厚形成の制御に基づく新たなアプローチによる動脈管の治療法の開発を行うことを目的とした。先行研究でヒトとラット動脈管を用いて網羅的遺伝子解析を行い、内膜肥厚を誘導する最も有力な候補遺伝子として組織型プラスミノーゲン活性化因子 (tPA またはPLAT)とファイブリン1(FBLN1)の2つを同定し、平成28年度は、PLAT, FBLN1 がヒト・ラットの動脈管内膜肥厚部に局在し、PLATは内皮細胞、FBLN1は平滑筋細胞から分泌されること、PLAT がMMP-2活性を増加させること、を明らかにした。これを受けて本年度は以下について実験を行い結果を得た。①新規実験系である3次元血管モデルを用いて、PLATがMMP-2を活性化させることで血管の内弾性板を破壊すること、②in vivoにてプラスミノーゲン投与が動脈管内膜肥厚を促進すること、③EP4下流シグナルとして、古典的経路ではなくフォスフォリパーゼC-プロテインキナーゼC-NFkBを介してFBLNの転写活性が亢進すること、④FBLN1がADAMTS1と共役してバーシカンを断片化させることで平滑筋細胞の遊走を促進すること、を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ラット動脈管平滑筋細胞と内皮細胞を用いた検討より、当初の予定通りPLATの内弾性板への役割を明らかにし、FBLN1の転写活性亢進のメカニズムを明らかにできた。特に、PLATは平成30年度で予定していた実験をすべて終了し、論文が受理されたため、予定以上の進捗が認められた。FBLN1に関しても、ADAMTS1との共役が細胞遊走に重要な役割をはたしていることを明らかにできたため、次年度のin vivoの実験を行うための十分な準備ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の検討結果を元に、次年度はin vivoでのFBLN1 の内膜肥厚作用への検討を中心に研究を行う予定である。具体的には以下を行う予定である。①BLN1のラット動脈管器官培養による内膜肥厚作用の検討(ex vivo): BLN1のリコンビナントタンパクをラット動脈管組織に添加して器官培養する。48時間後に組織をホルマリン固定しパラフィン切片を作成し、エラスチカ染色をして血管内膜肥厚Image Jソフトウェアを用いて定量する。また、弾性線維の断裂の程度は4段階に評価する。②FBLN1の抑制によりラット動脈管の内膜肥厚が阻害されるかを検討(ex vivo): FBLN1に対するin vivo用siRNAを30% pluronic gelを用いて動脈管内腔に注入して48時間器官培養し、FBLN1の発現抑制が得られる条件を定量RT-PCRで検討する。さらに、EP4アゴニスト存在下でFBLN1抑制による内膜肥厚抑制を検討する。③FBLN1のラット動脈管の内膜肥厚作用の検討(in vivo): PLATまたはFBLN1のリコンビナントタンパクを内膜肥厚形成が無い胎生19日の未熟児ラットに皮下注射で投与して閉腹する。麻酔薬はイソフルレンを用いて行う。48時間後に帝王切開にてラット胎児を摘出し、動脈管組織を①と同様に解析し、内膜肥厚を定量する。
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Research Products
(32 results)
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[Journal Article] Vidarabine, an anti-herpesvirus agent, prevents catecholamine-induced arrhythmias without adverse effect on heart function in mice2018
Author(s)
Suita K, Fujita T, Cai W, Hidaka Y, Jin H, Prajapati R, Umemura M, Yokoyama U, Sato M, Knollmann BC, Okumura S, and Ishikawa Y
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Journal Title
Pflugers Arch
Volume: 470
Pages: 923-935
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Fabrication of scaffold-free human vascular graft by periodic hydrostatic pressurization.2018
Author(s)
Yokoyama, U., Saito, J., Ito, H., Tadokoro, T., Taniguchi, H., Kaneko, M. Ishikawa, Y.
Organizer
The 95th Annual Meeting of the Physiological Society of Japan
Invited
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[Presentation] Fabrication of Implantable Human Arterial Graft by Periodic Hydrostatic Pressure2017
Author(s)
Saito, J., Yokoyama, U., Ito, H., Tadokoro, T., Sugo, Y., Kurasawa, K., Ogawa, M., Miyagi, E., Taniguchi, H., Kaneko, M. Ishikawa, Y.
Organizer
The 8th TAKAO International symposium
Int'l Joint Research
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[Presentation] Antenatal Administration of Betamethasone Contributes to Intimal thickening of the Ductus Arteriosus.2017
Author(s)
Kemmotsu, T., Yokoyama, U., Azuma, S., Saito, J., Ito, S., Uozumi, A., Iwasaki, S., Nishimaki, S., Ito, S., Masuda, M., Asou, T.Ishikawa, Y.
Organizer
The 8th TAKAO International symposium
Int'l Joint Research
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[Presentation] Prostaglandin E-EP4-mediated fibulin-1 up-regulation plays a role in intimal thickening of the ductus arteriosus.2017
Author(s)
Ito, S., Yokoyama, U., Saito, J., Masuda, M., Asou, T.Ishikawa, Y.
Organizer
The 8th TAKAO International symposium
Int'l Joint Research
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