2018 Fiscal Year Annual Research Report
がん重粒子線治療の高度化と治療個別化の為の基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
16H05388
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中野 隆史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20211427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 克幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (10400748)
岡本 雅彦 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10451725)
田巻 倫明 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20400749)
柴田 淳史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30707633)
若月 優 自治医科大学, 医学部, 教授 (40399449)
鈴木 義行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60334116)
野田 真永 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60396645)
齋藤 淳一 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70572816)
河村 英将 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80431716)
鳥飼 幸太 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (90443077)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 重粒子線 / 放射線治療 / 放射線生物学 / 粒子線治療 / 放射線治療学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最先端のがん治療方法である重粒子線治療をさらに発展させるための研究をおこなった。 臨床的研究として、局所進行悪性骨および軟部組織腫瘍に対する炭素イオン放射線療法(CIRT)における重要なリスク臓器である、皮膚に与える影響を解析した。CIRT後の急性皮膚反応の重症度と皮膚線量パラメーターとの相関関係を評価したところ、皮膚炎グレードと最大線量(Dmax)、線源標的腫瘍間距離(STD)、および40Gy(RBE)が照射された面積(S40)が、急性期皮膚反応の予測因子であることを明らかにした。 また、免疫チェックポイント阻害剤との併用を目指した研究として、放射線照射により誘導される、腫瘍細胞のPD-L1発現メカニズムの解明を目指した研究をおこなった。X線照射により生じるDNA二本鎖切断から、DNA損傷シグナルを介してPD-L1が発現すること、また、DNA二本鎖切断修復において重要であるKu80およびBRCA2のノックダウン細胞では、放射線照射後のPD-L1発現誘導が亢進することを明らかにした。発現誘導には、DNA損傷シグナルであるChk1の活性化が重要であった。さらに、PD-L1発現経路として従来知られていたSTAT-IRF1シグナル経路も、放射線照射後に誘導されていることも明らかにした。DNA損傷を誘導する化学療法剤処理でも同様に、DNA損傷シグナルおよび DNA修復関連タンパクが、腫瘍細胞のPD-L1発現誘導に関与することを明らかにした。この成果は、Nature Communicationに発表した。 これらの研究結果は、放射線治療や化学療法といったDNA損傷を誘発することで抗腫瘍効果を得るがん治療法と、PD-1/PD-L1阻害治療の併用による増感効果の可能性を示唆し、さらに、併用治療が推奨されるべき患者を抽出するための先行指標研究にも貢献できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究実施計画のから、進行状況に応じて一部に変更を加えながら研究を遂行している。当初の計画から見て概ね順調に進展したと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、重粒子線治療のさらなる発展を目指した研究を継続する。具体的には、化学療法剤、分子標的薬、抗腫瘍免疫治療等との併用による集学的重粒子線治療の研究、さらなる高精度治療方法の確立、Precision Medicineの時代における、重粒子線治療が推奨されるべき患者の個別化を目指した研究をおこなう予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] In vivo simultaneous imaging with 99mTc and 18F using a Compton camera2018
Author(s)
Sakai M, Yamaguchi M, Nagao Y, Kawachi N, Kikuchi M, Torikai K, Kamiya T, Takeda S, Watanabe S, Takahashi T, Arakawa K, Nakano T
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Journal Title
Phys Med Biol
Volume: 63(20)
Pages: 205006
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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