2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05410
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
海野 倫明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70282043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 徹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30282122)
元井 冬彦 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30343057)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胆管癌 / 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵管癌と胆管癌は、その発生大きく予後が異なること、転移進展様式が異なることなど、本当に類似した癌かどうかは明らかではない。また、膵では粘液産生が特徴な膵管内乳頭状粘液腫瘍(IPMN)が存在し異なる病態を示すのと同様に、胆道では胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)が提唱されている。しかし、IPMNとIPNBの発生機序が類似しているかどうかは明らかではない。申請者らは本科学研究費補助金を申請する4年間において、膵管癌と胆管癌およびIPMNとIPNBを、遺伝子レベル~蛋白レベルでの相違点を明らかにし、膵管癌と胆管癌の発癌機序の解明とそれに基づく新規治療法の開発を行おうとするものである。 平成28年度には、膵管癌と胆管癌のホルマリン固定パラフィン包埋組織からレーザーマイクロダイセクションにより癌細胞を選択的に回収し、LC/MS/MSを用いて網羅的プロテオーム解析を行った。対象となる膵管癌10例と胆管癌8例を抽出、膵管癌で発現を認めたタンパク質は1361個であった。同様に胆管癌8例では1274個のタンパク質が同定された。共通に発現が見られたタンパク質を含め、のべ1820個のタンパク質が同定された。 平成29年度には、これら両群の発現タンパク質プロファイルを、スペクトラルカウント法およびG検定を用いて、最終的に15のバイオマーカー候補タンパク質を同定した。さらに大量の試料を免疫組織化学的検証を行うための準備として、まず膵頭部癌12症例と遠位胆管癌12症例の検体を検証し、両群で発現に差を認めるタンパク質を5タンパク質を絞り込んだ。さらに両群それぞれ80検体を用いて、大規模検証群の免疫染色を行い、同5タンパク質のバイオマーカーとしての妥当性を検討した。並行して、臨床現場で、実際に診断が困難であった症例を用いても、同バイオマーカー、バイオマーカーパネルの有用性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵癌症例と遠位胆管癌症例の集積は順調であり、多くの症例をもとに、膵癌と遠位胆管癌を鑑別するバイオマーカーの同定がほぼ出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、膵IPMNは比較的症例集積が順調であるが、症例数が少ない、肝胆道IPNBは当該施設のみでは症例が少ないことが予想されるため、関連病院を含めて症例集積を行う。
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