2017 Fiscal Year Annual Research Report
Stratification of gastric cancer and identification of molecular mechanism of gastric tumorigenesis based on aberrant DNA methylation profile
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16H05412
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金田 篤志 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (10313024)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エピゲノム / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)「標本採取およびDNAメチル化網羅的解析」。本年度までで、胃癌、食道胃接合部癌標本の収集および核酸抽出を終了し、またInfiniuimビーズアレイによるDNA網羅的解析を順調に終了し、またパイロシーケンサーを用いたDNAメチル化定量解析を順調に終了した。癌症例を詳細に層別化し、EBVの有無、胃粘膜の炎症・萎縮、ピロリ菌感染の有無などを含め今後背景・病理学的因子との相関を解明する。 (2)「エクソン変異の網羅的解析」。HaloPlexキャプチャーシーケンスにてドライバー変異125遺伝子のエクソン変異解析を順調に終了した。EBV陽性超高メチル化胃癌、MSI高メチル化胃癌、低メチル化胃癌、それぞれの各サブタイプに特徴的にみられる遺伝子変異を同定した。 (3)「DNA異常メチル化の獲得機構の解明」。EBV陽性胃癌におけるゲノム広範囲の異常メチル化は、他のメチル化群のメチル化標的遺伝子を包含するが、EBVを正常胃上皮細胞にin vitro感染するモデルを用い、EBV感染が正常胃上皮にDNAメチル化を誘導する際にTET2の低下がその誘導に貢献することをこれまでに報告したが、本年度はそれに加えて、DNAメチル化誘導の時空間的な全容を報告し、またヒストン活性化マークの消失が相関することを報告した。 (4)「発癌分子機構の解明」。変異癌遺伝子を導入し早期細胞老化を起こす系でshRNAライブラリーを用いた網羅的ノックダウンを行い、細胞老化を回避させるshRNA、すなわちその不活化することが細胞老化回避に貢献しうる遺伝子候補のスクリーニングを順調に行った。同定した候補遺伝子について、DNAメチル化網羅的解析やエクソン変異解析データと比較解析し、メチル化や変異による不活化の有無を今後解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度中に胃癌および食道胃接合部癌について標本の収集、Infiniumおよびパイロシーケンスを用いたDNAメチル化解析、エクソン変異解析について順調に進行した。重要な分子異常の候補を順調に同定した。 エピゲノム異常の誘導についても、平成28年度までに報告したTET2発現低下の重要な役割に引き続いて、時空間的なDNAメチル化誘導の全容について順調に報告し、またヒストン修飾変化との相関についても順調に論文報告を行った。 発癌分子機構の同定実験についてもshRNAライブラリーを用いた網羅的ノックダウン解析を順調に行い、DNAメチル化およびエクソン変異解析データと比較解析中である。当初の計画以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床標本の解析について、DNAメチル化データによる症例層別化と、エクソン変異解析および背景・病理学的因子との相関を解明する。 胃上皮にEBV感染が誘導するエピゲノム変化について、TET2発現低下がDNA異常メチル化の誘導に貢献することを報告したが、さらにヒストン修飾変化を含めたダイナミックなエピゲノム変化の誘導機構について解明を目指す。発癌分子機構の同定についてはshRNAによる網羅的ノックダウンを用いた系により抽出した早期細胞老化を回避させる不活化遺伝子候補について、メチル化よる遺伝子サイレンシングや遺伝子変異による不活化が各胃癌サブタイプにおいて胃癌発癌に貢献する分子機構を明らかにする。
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Research Products
(27 results)