2017 Fiscal Year Annual Research Report
関連遺伝子群のゲノミクス解析による間質性膀胱炎の病態解明
Project/Area Number |
16H05463
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 之夫 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (40165626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新美 文彩 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00376451)
前田 大地 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30585500)
井川 靖彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (40159588)
石川 俊平 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50418638)
伊藤 雅史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (80393114)
森川 鉄平 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80451772)
相澤 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80595257)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 泌尿器科学 / 排尿機能学 |
Outline of Annual Research Achievements |
【ハンナ型ICに関する研究】 1)次世代シーケンサーによる浸潤リンパ球のレパートリー解析:昨年度までの研究結果から、浸潤リンパ球のうち、B細胞のクローナル増殖がHICでは極めて特徴的であったことから、B細胞抗原受容体遺伝子の網羅的次世代シーケンスによるレパートリー解析の症例数を今年度は蓄積した。具体的には、ハンナ型IC(HIC)25症例、またコントロールも6症例に対してB細胞のレパートリー解析を施行した。HICでは、半数以上でモノクローナルに近い、極めてクローナリティの高いB細胞集団が浸潤していることを同定した。一方、膀胱癌、慢性膀胱炎、形態的正常所見を呈する非特異的膀胱ではいずれもHICに比するとB細胞のクローナリティは低く、B細胞のクローナル増殖がHICに特徴的な所見であることが示唆される。さらに、ハンナ型IC,非ハンナ型IC,過知覚膀胱、コントロール(膀胱癌背景正常粘膜)を対象に、網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq)を施行し、遺伝子発現の面でもハンナ型ICがdistinctなentityであることを同定した。さらに、ハンナ型ICにおいて、他群と比して有意に発現が変動していた遺伝子に対するpathway解析を施行し、BAFF、VEGFがHICに対する新規治療標的/バイオマーカーとなりうる候補であることを見出した(論文準備中 【非ハンナ型ICに関する研究】 1)マイクロアレイを用いた膀胱上皮のmiRNAの網羅的解析の再現性の確認 網羅的解析ではnon Hunner typeにてmiR200 family (miR 200b, 200c) , miR205の上昇を認めた。PCRにおいても同様の発現を確認することができたため、現在はin situ hybridizationによるmicro RNAの局在についての検討を継続しておこなっている
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
浸潤リンパ球のレパートリー解析症例数の蓄積、網羅的遺伝子発現解析とそのバイオインフォマティクスなど年度初頭に計画した研究を概ね実施し、結果を得ることが出来ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
【ハンナ型ICの研究】1)次世代シーケンサーによる浸潤リンパ球のレパートリー解析:すでに、dominant cloneのアミノ酸配列は同定した。今後は、このアミノ酸配列から自作抗体を作成し、免疫沈降、質量分析により抗原の特定に迫るとともに、免疫組織化学的手法を用いて、抗原の局在を検討する。2)関連遺伝子に関する検討:1)により、HICではB細胞の圧倒的なclonal expansionを特定した。この結果からは、 HICにおいて、B細胞が腫瘍性増殖を来していることが否定できない。したがって、全エクソン解析及びRNA-seqを行い、腫瘍原生遺伝子変異/融合遺伝子の探索を行う。【非ハンナ型ICに関する研究】1)マイクロアレイを用いた膀胱上皮のmiRNAの網羅的解析の再現性の確認についてはすでに終了しており、現在はin situ hybridizationによる局在について検討を行っている。現時点では非ハンナ型では上皮および粘膜下層にmiR 200familyおよび205が散発的に発現することが確認できている。本所見は正常粘膜では確認が困難であり、NHICにおける特徴的な所見であると考えられる。今後は尿中のmiRNAの定量なども追加し、行う予定である。
|
Research Products
(9 results)