2017 Fiscal Year Annual Research Report
Whole genome sequencing of pathogenic microorganisms causing septic shock
Project/Area Number |
16H05496
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関根 章博 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (30425631)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 孝明 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20375794)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 敗血症ショック / 病原性微生物 / 全ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症を招いた血液試料から、病原性微生物を採取・培養してゲノムを精製し、関連する300種の全ゲノム配列を決定することが目標となる。計画前には、5種の病原性微生物について約50株の病原性微生物の全ゲノム配列決定技術を構築していたので、これを高速化して敗血症関連種・300株の全ゲノム配列を決定することが目標となる。H28年度には、敗血症患者さんから血液培養を行い、そこから研究用に試料を活用できるラインの改良ならびにそれに合致した診療情報の収集体制を整備し、約30株の全ゲノム配列を決定した。H29年度は、この体制を利用し、解析数を増やすことを目標としていたが、より効率良く、安価にできる技術(DNA精製をlongに取り、10kb以上長いサイズと5kb程度の短めのDNA断片のリードを併用する)が浮上してきたので、急遽、自動核酸精製システムを購入させて頂き、生成上半期~半ば過ぎはその手法を確立した。このそれまでの解析に必要なデータ量が200 coverage(例えば、ゲノムサイズ1Mbの細菌なら200Mbのデータ量)以上を取得する必要が生じていたが、半分程度のデータで比較的配列がユニークな株は全ゲノム配列決定が可能となった。実現できたので、この改良技術を活用して、敗血症から採取された大腸菌、クレブシェラ、緑膿菌等の解析により、約100株の全ゲノム配列をPacBioRSⅡおよびSequelを用いて高精度に決定した。H30年度(最終年)は、300株まで情報を集積し、解析と共に、まずは同大学診療科が利用できるデータベース化を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究遂行中に、より長鎖にDNAを精製できる機種が登場して、①アナウンス通り、長鎖DNAが取得できるか、②これに伴い、DNA断片の両端の部分の分解が少ないため、coverageを減らし、③それにより、シーケンスによる塩基決定に必要なcoverage(繰返し読む回数)が200から、100程度に低減できること、④それが実際の解析に反映されていることの検討を行うために、半年程度の期間を要している。しかし、この実現がなされたことにより、これまで実施してきたデータ取得速度が半分およびコストが約3割程度削減できることになった。なお、削減したコストはその株が、薬剤耐性を獲得しているかなどの機能的な理解に充填できるため、解析が向上し、当該技術を持つ専門の研究者の協力を得る等の試験遂行のための体制構築をさらに改良した。検討に解析予定数から考えると、当初の予定数を満たしていないが、この後のシーケンス速度が約2倍に向上したため、最終年度(H30)は迅速化が図れることが確定し、計画通りの予定数を達成できる。また、低減がなされること、病原性微生物に関する機能的(薬剤感受性など)な情報も追加されることを併せると、当初の予定を上回っていると判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
シーケンス情報を取得する速度は、本年度のトライアルで実現できることが判明した(前述)。それ故、実務の中心となるシーケンスデータ取得はまったく問題がなくなった。一方、試験を遂行する上で、問題となるのは、(1)臨床現場から解析対象となる試料の提供速度を向上させること、と(2)病原性微生物の全ゲノム配列を決定するbioinformaticsを効率化することが重要な鍵となる。まず、(1)については同大学内の感染症関連を担う関係者(各分野のマネージャー)との強い協力を得たこと、また、血液培養などの試験実施者に当研究の目的、方法、課題などを十分に説明し、ルーチン化していただいたこと、また、対照となる試料協力が得られること、さらに、分担研究者は本邦での敗血症ショックの症例をまとめる業務を実施しているが、学内のみならず、他医療組織に連携を求めること、説明同意の徹底などで試料数が急速に増加することが見込まれている。一方、(2)であるが、出来る限りのプログラムのサブルーチン化を図り、定型化を更新している。それでも、病原性微生物の変化は激しく、株により構造変異獲得に伴う一部分の配列決定が難しいため、この問題をクリアーするために人材の投入を実施した。残念ながら、現状では、本アプローチを実現できる人材が極めて少ないが、それでも今後、必要であれば、情報の早期共有化を軸に共同研究を増やしていくことも考慮に入れたい。
|
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] Evolution of multi-drug resistant HCV clones from pre-existing resistant-associated variants during direct-acting antiviral therapy determined by third-generation sequencing.2017
Author(s)
Takeda H, Ueda Y, Inuzuka T, Yamashita Y, Osaki Y, Nasu A, Umeda M, Takemura R, Seno H, Sekine A, Marusawa H.
-
Journal Title
Sci Rep.
Volume: 7
Pages: 45605
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Combined association of clinical and lifestyle factors with non-restorative sleep: The Nagahama Study.2017
Author(s)
Matsumoto T, Tabara Y, Murase K, Takahashi Y, Setoh K, Kawaguchi T, Muro S, Kadotani H, Kosugi S, Sekine A, Yamada R, Nakayama T, Mishima M, Matsuda F, Chin K.
-
Journal Title
PLoS One.
Volume: 12(3)
Pages: e0171849.
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Risks and Cough-Aggravating Factors in Prolonged Cough. Epidemiological Observations from the Nagahama Cohort Study.2017
Author(s)
Matsumoto H, Izuhara Y, Niimi A, Tabara Y, Nagasaki T, Kanemitsu Y, Murase K, Oguma T, Ito I, Muro S, Sekine A, Matsuda F, Kosugi S, Nakayama T, Chin K, Mishima M; Nagahama Study Collaboration Group.
-
Journal Title
Ann Am Thorac Soc.
Volume: 14(5)
Pages: 698-705
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-