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2018 Fiscal Year Annual Research Report

増殖因子―細胞間結合分子クロストークによる歯原性上皮・間葉細胞の分化機構の解明

Research Project

Project/Area Number 16H05548
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

山田 亜矢  東北大学, 歯学研究科, 准教授 (40295085)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 犬塚 博之  東北大学, 歯学研究科, 准教授 (20335863)
福本 敏  東北大学, 歯学研究科, 教授 (30264253)
阪井 丘芳  大阪大学, 歯学研究科, 教授 (90379082)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords再生医療 / 細胞間結合 / 増殖因子
Outline of Annual Research Achievements

これまでギャップジャンクションを介した歯および唾液腺の器官形成に及ぼす役割解明を行なってきた。特に唾液腺においては、間葉組織から誘導されるFGF-10シグナルが、上皮細胞に十分伝達できないことを、上皮細胞のERK1/2のリン酸化レベルを指標に明らかにしてきた。しかしながら、ギャップジャンクションの機能阻害のために、ギャップジャンクションの機能抑制を行なう18alpha-GAやoleamideを用いて行なってきたが、これらの小分子化合物は全てのギャップ結合を阻害するため、個々のギャップジャンクション分子の機能同定には至っていなかった。そこでコネキシン43やパネキシン3の発現抑制siRNAや機能阻害ペプチドを用いて検討した結果、18alpha-GAやoleamideを用いた結果と同様の結果が得られたこと、さらに歯胚上皮にはコネキシン43が強く発現し、他のギャップジャンクション分子の発現は少ないことが、single cell解析で明らかとなった。
また歯胚由来上皮細胞を用いた解析により、TGF-beta1刺激によるアメロブラスチン発現誘導に関して、ギャップ結合阻害剤やコネキシン43発現抑制細胞において、アメロブラスチンの転写に関わるRunx2のリン酸化が低下していること、またRunx2のリン酸化はERK1/2によって行なわれていることを確認した。さらにリン酸化レベルの低下したRunx2には、TGF-beta1によって誘導されたリン酸化Smad2/3と結合していないことがわかった。したがって、今後はどのようにしてギャップジャンクションの機能抑制によりERK1/2がリン酸化されないのかを明らかにする必要があると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

歯胚上皮におけるコネキシン43の機能に関しては、ERK1/2のリン酸化がどのように制御されているかについては未だ不明であるが、このリン酸化抑制がアメロブラスチンなどのエナメル基質の発現抑制を引き起こしている分子機能について詳細に解析することができた。特にTGF-beta1シグナルにおけるSmad2/3のリン酸化には影響を及ぼさないが、硬い組織形成に関わる分子群の転写調節の段階で、Smad2/3が核内において複合体を形成できていないという新たな分子機能を証明することができた。またパネキシン3の機能に関しては、もともと前象牙芽細胞に特異的に発現する分子として同定した結果から、歯原性間葉細胞や骨芽細胞等を用いて解析を進めてきた。その中で、コネキシン分子群に認められる細胞間でのギャップ結合を維持するという機能よりは、小胞体膜でのヘミチャンネルとしての機能が明らかとなり、チャンネル構造の開閉機能に関する新たな知見を得ることができた。これらの成果により、ギャップジャンクション分子の新たな機能解明につながる新らたな情報が得られたことから、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

コネキシン43の分子機能に関しては、ギャップジャンクションが機能しない状況により、なぜ歯胚においてはTGF-beta1、唾液腺においてはFGF-10などの増殖因子刺激によるERK1/2のリン酸化が抑制されているのかが未だ不明である。ERK1/2のリン酸化には上流分子のMEKやRasファミリー分子群が関与していることから、これら分子の活性化によっても検討を進める予定である。一方で、ギャップジャンクションは、Ca2+イオンやIP3などの小分子の輸送に関与することから、これらCa2+イオンやIP3の細胞内濃度の変化や、これら分子の輸送異常がRas-MEK-ERK1/2の活性化に及ぼす影響について検討を進める。これら解析においては、新たに作製できたsiRNAや機能阻害ペプチドを用いて、分子特異的な発現や機能抑制を行なうことで、歯胚と唾液腺上皮におけるギャップジャンクション分子の使い分けについても明らかにしていきたいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] The transcription factor NKX2-3 mediates p21 expression and ectodysplasin-A signaling in the enamel knot for cusp formation in tooth development.2018

    • Author(s)
      Han X, Yoshizaki K, Miyazaki K, Arai C, Funada K, Yuta T, Tian T, Chiba Y, Saito K, Iwamoto T, Yamada A, Takahashi I, Fukumoto S
    • Journal Title

      The Journal of Biological Chemistry

      Volume: 293 Pages: 14572-14584

    • DOI

      10.1074/jbc.RA118.003373.

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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