2018 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害傾向のある看護学生への現任教育まで含めた適応支援ガイドラインの作成
Project/Area Number |
16H05573
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
安酸 史子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (10254559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 洋子 琉球大学, 医学部, 名誉教授 (00196908)
金城 祥教 名桜大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00205056)
山田 美幸 純真学園大学, 看護学科, 准教授 (00336314)
松浦 賢長 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10252537)
照屋 典子 琉球大学, 医学部, 助教 (10253957)
安藤 満代 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (10284457)
増満 誠 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (10381188)
谷 多江子 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (10441883)
梅崎 節子 純真学園大学, 看護学科, 准教授 (10588784)
飯野 英親 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (20284276)
北川 明 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 准教授 (20382377)
塚原 ひとみ 福岡大学, 医学部, 教授 (20555403)
小浜 さつき 聖マリア学院大学, 看護学部, 講師 (20580731)
中嶋 恵美子 福岡大学, 医学部, 教授 (30461536)
石本 祥子 聖マリア学院大学, 看護学部, 講師 (30538583)
山住 康恵 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (30553052)
藤川 真紀 福岡女学院看護大学, 看護学部, 講師 (30570121)
井手 悠一郎 聖マリア学院大学, 看護学部, 講師 (30733472)
金城 芳秀 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 教授 (40291140)
宮林 郁子 福岡大学, 医学部, 教授 (40294334)
日高 艶子 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (50199006)
太田 里枝 福岡女学院看護大学, 看護学部, 助教 (60412772)
西村 優紀美 富山大学, 保健管理センター, 准教授 (80272897)
正野 逸子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (80280254)
佐藤 亜紀 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (80435130)
原田 直樹 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (80598376)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度に完成年度を迎えた看護系大学207校を対象に、発達障害傾向のある学生についての組織調査及び看護教師に対して実態調査を実施した。組織調査に関しては、74大学から回答を得た(回収率35.7%)。現在発達障害と診断された学生数は、全体で実数25名。発達障害傾向と思われる学生数は207名。49大学(66・2%)が明確に存在すると回答している。看護教員調査では、発達障害の診断ありの事例31事例、診断無しの事例51事例の記載が得られた。 診断ありの事例で特記すべきものとしては、障害学生教育支援経費を獲得して、TAを配置して支援したという事例があった。学生本人からの依頼で合理的配慮申請をする必要があり、合理的配慮検討委員会開催のためには医師からの意見書が必要で、学生から医師に依頼する必要もあるため、教員から学生に提案するタイミングが難しかったと記載されていたが、診断がついている場合には、時間はかかっても適切な対応が可能だということが示唆された。また様々な合理的配慮を実習先や養教と連携して行い、卒業させることが出来た事例では、本人の了解を得て就職先に状況を伝え、就職先も承諾したうえでの就職であったものの、時間の経過とともに多くの苦情が大学に寄せられているという実態の記載もあり、継続支援の困難さとその必要性が確認された。 診断無しの事例においても、学生の課題状況はほぼ同じであるが、診断無しの場合は、本人に自覚がないことが多く、担当の教員が様々な対応や工夫をしている状況が確認された。いずれも、担当する教員が多大な負担を担いながら対応している状況が伺えた。組織調査においては、対応する学内機関があると回答した大学は、44大学と全体の59.5%であり、約4割の大学は専門職がいない状況の中で担当教員が対応している実態が明らかになった。看護管理者へのインタビュー調査に関しては、現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
発達障害の学生あるいは看護師という特別の配慮を要する対象を扱う研究のため、倫理審査を通すのに予想以上に時間を要した。そのために調査依頼そのものが2月とかなり遅くなったことが第一の原因である。大学への調査に関しては、リマインダーを出すことにより、想定程度の反応は得られたが、当事者へのインタビュー調査のための看護部長への依頼では、我々の実施したセミナーに参加した意識が高いと思われる看護管理者を対象に依頼をかけたにもかかわらず、当事者の紹介をしてもらう協力が得られず、診断を受けて看護師を継続している当事者からのインタビューの実施に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査をリマインダーを出して4月末までに延長したので、再度分析を詳細に行う。特に具体例の記述内容に関しては、質的な分析を行う。また現在進行中の看護管理者へのインタビュー結果をまとめる。大学教員からの具体例の記述内容の結果と看護管理者のインタビュー結果を加えて、支援ガイドラインの内容を充実させ完成版を仕上げる。また、研究分担者らがそれぞれの大学で支援してきた学生で看護師として就職したものについての追跡調査に関して、新たに倫理申請を行ったうえで可能な範囲で実施していく予定である。
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