2016 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホームの終末期ケアにおける多職種連携とケアの質の評価に関する研究
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16H05594
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池崎 澄江 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (60445202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 智昭 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, ダイヤ高齢社会研究財団(研究部), 主席研究員 (10407108)
黒河内 仙奈 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任研究員 (40612198)
谷本 真理子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (70279834)
高野 龍昭 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (80408971)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 看取り介護指針 / 職員研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年計画で実施する本研究の初年度は、これまでの1)国内外の研究レビューと2)関係者による検討委員会の立ち上げと全国の特養における郵送調査を行った。 1)では、海外の研究レビューによる終末期ケアと関連のありそうなケアの質の指標として学術的・客観的な指標を選別することである。その結果、日常的なケアの質を測定する手法はかなり確立されており、①構造②プロセス③アウトカムの種類別に整理し、施設間で比較可能にするための手法があった。また昨今では入所者本人に価値観や主観的な面に着目した測定指標(Self-Reported Quality of Life)の活用も注目されており、本人の価値観や尊厳が重視される終末期ケアの評価にも利用できる可能性が示唆された。また、緩和ケア・エンドオブライフケアに着目した評価の側面としては、①施設の特性②職員の体制や教育③医療・介護のケア内容④入所者本人からの評価⑤家族(遺族)からの評価があり、多面的に行う必要性が示唆された。 2)では、関係団体の協力を得て、調査計画について検討を行った。専門家による検討委員会では、看取り介護加算に掲載される内容と現場での実践状況について議論し、調査項目の精錬を行った。調査は1000施設に郵送調査を実施し、229施設の有効回答を得た。 その結果、看取り介護加算が届け出ている施設では99.4%が看取り介護指針を有、届け出がない施設でも53%と多くの施設で指針が作成されていた。看取り介護に関する教育では、「看取り介護指針・説明支援ツール」に掲載されている7つの職員研修のうち、実施状況として最も評価が高かったのは「夜間および緊急時への対応」で、低かったのは「死生観教育」であった。 以上の検討により、次年度の調査では施設ごとの看取り介護指針を資料として入手するとともに教育内容についても調査を行う必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は、文献レビューにおいて、海外からの研究指標で活用可能な指標をすぐに定義できると想定していたが、終末期ケアに着目した場合は、その評価は多面的にならざるを得ず、調査計画において協力施設の負担が過大となる懸念が生じたため、調査の計画が遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の実態調査をふまえ、さらに踏み込んだ内容での職員調査や教育内容に関する調査を該当施設にて行うこととする。海外研究レビュー結果からの活用可能な指標を決定し、これについても併せて調査を実施する。
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