急性期病院に入院する認知症高齢者ケースに対応した退院支援モデルの開発と妥当性検証

2018 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16H05599
• Research Institution: Jikei University School of Medicine
• Principal Investigator: 北 素子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80349779)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 遠山 寛子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10433989) ; 杉山 友理 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30513981) ; 石橋 史子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60781622) ; 品川 俊一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90459628)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 認知症 / 高齢者 / 急性期病院 / 退院支援 / 認知症専門職チーム

Outline of Annual Research Achievements

身体疾患の治療のために急性期病院に入院する認知症高齢者が増加している。本研究は、身体疾患の治療を目的として予定入院する認知症高齢者、および緊急入院する認知症高齢者の入院から退院後1か月までを追い、そのプロセスを明らかにすることで急性期病院における認知症高齢者、家族、看護師への支援を検討し、退院支援モデルを完成させることを目的としている。
本年度は、予定入院する認知症高齢者のケースを追加調査するとともに、緊急入院のケースへと調査を進めるために再度倫理審査を経て、各部署への調整を図り、緊急入院のケースを対象とする調査を開始した。
予定入院の認知症高齢者のケースについては、2施設から新たに合計8ケースを追加して調査を実施した。結果、予定入院のケースは心臓弁膜症、食道がん、変形性股関節等、入院治療対象となる疾患は多岐にわたった。現在分析中であるが、前年度までの結果と同様、身体疾患による症状の改善とおよび自宅でのADL拡大の傾向を確認する一方で、認知機能が悪化したケース、ADLが縮小したケースも認められており、その要因について詳細分析を進めていく必要性が明らかとなった。
緊急入院のケースは、2施設において合計3ケースへの調査を実施した。
これについてもデータは現在分析中であるが、緊急入院では予定入院に比べて入院期間が長くなる傾向や、退院時および退院後1か月後における認知障害の悪化は認められず、また、緊急入院時のADLは退院時、さらには退院後に拡大する傾向が確認されている。引き続き、緊急入院のケースについてデータ収集を進めていく。またさらに予定入院との比較分析や、入院の原因となった疾患等とのマッチング比較を実施ていく。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予定入院のケースは目標対象数を12ケースとしていたが、予定を上回る16ケースのデータ収集を実施することができた。また、緊急入院のケースについても倫理審査を終え、調査をスタートさせることができており、おおむね順調に進んでいるといえる。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、緊急入院のケースについて目標対象者数12ケースを目途とし、データ収集を進める。これまで収集した予定入院ケースとの比較分析、入院の原因となった疾患等とのマッチング比較分析も実施ていく。

Research Products

• [Presentation] 急性期病院における認知症高齢者の手術決定時から退院後1ヵ月のプロセス 予定入院で手術を受ける患者への認知症ケアチーム介入の効果 (2018)
  • Author(s): 朝倉 真奈美, 赤間 美穂, 内木場 あゆみ, 北 素子, 品川 俊一郎, 中島 朋, 矢野 勝治, 泉 祐介, 八代 直子, 遠山 寛子, 杉山 友理
  • Organizer: 第19回日本認知症ケア学会大会