2019 Fiscal Year Annual Research Report
Ecological and chemical surveys of endangered wildlife species endemic to the Caribbean region
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16H05655
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北 将樹 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30335012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝田 浩二 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 准教授 (00333914)
大舘 智志 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (60292041)
ラザロ エチェニケディアズ 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 研究員 (60567650)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生態化学 / 野生動物 / 薬用植物 / カリブ海 / 有毒哺乳類 |
Outline of Annual Research Achievements |
カリブ海の亜熱帯・熱帯地域の島国は生物多様性が高く、未知の生物活性物質の発見が期待される。本研究では、キューバおよびドミニカ共和国において、世界で2種しかいない絶滅危惧種の有毒哺乳類ソレノドンや、民間伝承の薬用植物などカリブ海の固有・希少な野生生物に関する生態化学的調査を実施し、有効成分の化学分析と生態学、進化系統解析を組み合わせることで、生物進化と生物多様性の謎に迫ることをめざした。 1)キューバソレノドンの生態化学的調査:これまでに生け捕りにした希少な哺乳類、キューバソレノドンのDNAサンプルを用いて、次世代シークエンサーによるゲノム系統分析により、真無盲腸目の進化的時間スケールや分子系統学的位置づけを解析し、真無盲腸類に含まれるトガリネズミやソレノドンが恐竜の絶滅後に進化したという、従来の学説を覆す成果を得た。 [Mol. Phylogenet. Evol. に成果発表、2019年8月]。 2)固有種の薬用植物の採取とエキス調製、生物活性評価:キューバ固有種(ノウゼンカズラ科)から抗炎症性を示す物質を発見し、化学合成によりその構造と活性を明らかにした。本化合物は既知物質で、抗腫瘍活性や抗菌活性、抗酸化作用など様々な活性が報告されているが、抗炎症活性は今回初めて明らかにした。さらに構造活性相関研究により、より活性選択性が高いアシル化誘導体を創出した [Tetrahedron Lett 誌に成果発表、2020年5月] 。さらに、この知見をもとにビオチンプローブを合成、さらに標的候補タンパク質を RAW264.7マウスマクロファージから同定することに成功した。今後は本化合物の作用機序解析を進めて、抗炎症リード化合物の創出を目指す予定である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(30 results)