2018 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける重層的サブリージョンと新たな安全保障アーキテクチャ
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16H05700
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
多賀 秀敏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30143746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 幸男 帝京大学, 文学部, 教授 (00162496)
高橋 和 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (50238094)
佐渡友 哲 日本大学, 法学部, 教授 (80178798)
若月 章 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (20290059)
大津 浩 明治大学, 法学部, 専任教授 (10194200)
森川 裕二 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (90440221)
柑本 英雄 日本大学, 法学部, 教授 (00308230)
吉川 健治 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (30512727)
臼井 陽一郎 新潟国際情報大学, 国際学部, 教授 (90267451)
五十嵐 誠一 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (60350451)
福田 忠弘 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科(日本語日本文学専攻、英語英文学専攻),生活科学科(食物栄養専攻、生活科学専攻),商経学科(経済専攻、経営情報専攻),第二部商経学科】, 教授 (50386562)
中山 賢司 創価大学, 法学部, 准教授 (10632002)
小松 寛 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 特任研究員 (50546314)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際関係 / 非国家行為体 / 越境的公共空間 / 新国際社会単位アプローチ / 国家戦略 / 拡大メコン圏 / 東北アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は研究メンバーによる英文書籍The New International Relations of Sub-Regionalism: Asia and Europe(Routledge)を刊行した。本書は冷戦後、世界的に拡大した新たな地域主義を構成する新社会単位としてサブリージョンを捉え分析したものである。新たな地域主義は多元的かつ複雑、流動的で非同調性を伴うところに特徴がある。ウェストファリア以降の主権国家体制は変容しており、地球上におけるサブリージョンの増加はポスト・ウェストファリアの到来を意味する。 本書は日本とタイ(チェンマイ大学)の研究者による丹念なフィールドワークによる知見に基づいて構成されている。サブリージョンとは複数の国家もしくはその一部分からなる越境地域であり、世界に多様な形態で存在している。既存の研究はサブリージョンについて等閑視するか、扱う場合においても経済面にのみ焦点が当てられてきた。これに対し本研究は政治学および国際関係論の視座からサブリージョンへアプローチし、さらにアジアとヨーロッパのサブリージョンを比較した。そして両者の共通性と相違性を詳らかにすることをもって、新たな国際関係理論の構築を目指した。本目的を達成するためにサブリージョンと国家戦略、ボトムアップそして越境という3つの側面に注目した。 その他、2018年5月には研究会を早稲田大学にて開催した。これは2019年度刊行を予定している和文書籍に向けたものである。企画全体についての討議のほか、執筆者よりそれぞれの担当章の構想について報告し議論をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、英文書籍を刊行できたことは研究計画が順調に推移していることの証左である。本書で行ったヨーロッパとアジアのサブリージョンを比較研究により、ヨーロッパ型のモデルをそのままアジアに適用することは難しく、アジアの実態に適応するモデルないし分析手法を構築する必要性が確認されたことも大きな前進であった。また、サブリージョン内部の動向のみならず、サブリージョン間の相互作用についても射程を広げることが今後の課題として整理されたことも収穫であった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は研究成果として和文書籍の刊行を予定している。研究代表および分担者のほか、研究協力者数名が参加し執筆する予定である。事例としてアジアにおけるヒューマンセキュリティのほか、東北アジアでは中朝国境地帯における越境交流、中国朝鮮族のトランスナショナルな移動、竹島・独島領有権問題、エスニシティ地域自治体としての沖縄などを、東南アジアからは中所得国の経済政策、ミャンマー中国国境地帯の武力紛争などを扱う。さらに比較対象として欧州ではポストBrexitの自治地域、ユーロリージョンの変容、さらにアフリカのサブリージョンをも取り上げる。 刊行後はその成果をもとに幅広く議論を行うため、ワークショップないしシンポジウムの開催を予定している。
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Research Products
(13 results)
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[Book] 大学による盗骨2019
Author(s)
松島泰勝ほか(編)佐藤幸男
Total Pages
325(123-133)
Publisher
耕文社
ISBN
9784863770522
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[Book] 新しい国際協力論2018
Author(s)
山田満(編)吉川健治
Total Pages
362(45-68, 285-308)
Publisher
明石書店
ISBN
9784750347615
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