2018 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアの乾燥環境勾配に沿った染色体数減数現象の解析
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16H05762
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 元己 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00193524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 翔太 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (50726809)
土松 隆志 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (60740107)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 染色体数進化 / ブラキコーム / 種分化 / オーストラリア / 乾燥適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度から30年度までに行った、オーストラリアの南オーストラリア州、ニューサウスウェルズ州、クイーンスランド州フィールド調査において収集したキク科ブラキコーム属植物の種子から発芽させた植物に対し、全ゲノムを対象にしたMIGseq (Multiplexed ISSR Genotyping by sequencing) 解析用DNAと、発現遺伝子調査のためのRNAseq解析用RNAの抽出を行った。 上記の核酸抽出サンプルに対し、詳細な系統解析のためのMIGseqとゲノム内の重複遺伝子数を調査のためのRNAseq解析を実行したが、実験途中の10月に、研究代表者が不測の病気で入院することになり、MIGseq解析とRNAseq解析の一部については実験が終了しなかった。そのため、追加の実験と解析を、次年度に計画延長して行う事になった。 これまですでにMIGseq解析が終了した種について、2n=18の染色体数を持つブラキコーム・リジデュラを外群として用いて、予備的に全ゲノム領域を用いた系統解析を行った。その結果、リニアリローバ複合体に属する種は系統樹の基部で分岐し、他の種と姉妹群を形成した。この結果は、核DNAのInternal transcribed spacer (nrITS) 領域による系統解析結果と同様であり、染色体数2n=4のブラキコーム・ダイクロモゾーマティカを含むリニアリローバ複合体は、本属の成立の早い時期に分化した植物群から生じたものであり、他の同属植物とは近縁ではないこという、昨年度までの結果を支持するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和元年10月、研究代表者が不測の病気で入院することになり、予定していたRNA-seq、MIGseq解析を完了することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験等は大部分が終了しているので、MIGseqの追加実験とデータ解析を行い、研究成果のとりまとめと、その結果を学会発表する。
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