2018 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアを中心としたシャジクモの分布様式と多様性の成立過程解明と適応遺伝子の探索
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16H05764
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂山 英俊 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (60391108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 智明 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (50390688)
土松 隆志 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (60740107)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 進化 / 生物多様性 / 藻類 / シャジクモ / ゲノム / 生態型 |
Outline of Annual Research Achievements |
東アジアにおいて水田と湖沼に適応したシャジクモ(Chara braunii)の生態的多型(水田型と湖沼型)が知られている。本研究では、東アジアを中心とした海外から様々な水環境に生育するシャジクモを採集し、種内のゲノム全体を網羅する遺伝的多型情報を明らかにし、空間的に分かれた集団間の遺伝子流動の有無と系統関係を解明することで、現在の分布様式の成立過程と海外でのシャジクモの多様性の全体像を解明する。さらに、種内において見いだされた生態型/局所集団毎に固定された遺伝子座をゲノムに基づき網羅的に抽出し、同一培養条件下、相互移植実験下などでの生態型/局所集団間の表現型と遺伝子型を比較することで、局所適応の有無を実験的に検証するとともに、生態型の進化過程と適応遺伝子を特定する。 平成30年度は、前年度から継続して新たに国内外の多様な生育環境から多数のサンプルを採集し、滅菌した卵胞子を発芽させることにより単藻培養株を確立した。また、葉緑体DNA(rbcL遺伝子、atpB-rbcL遺伝子間領域)に基づく分子系統解析を実施し、新たに採集したサンプルの系統的位置づけ、ハプロタイプの地理的分布パターン、および近縁種との分類学的関係を解析した。さらに、新たに採集した系統株についてゲノムDNAを抽出し、ホールゲノムショットガン解析を進めた。また、同一培養条件下で表現型比較解析を実施し、遺伝子型や生育地毎に表現型に違いが見られるかどうかを調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地共同研究者の事情や調査予定地でのサンプルの生育状況などにより、研究の進行がやや遅れている。平成30年度までに収集し、単藻化させた培養株については、順次、表現型解析を進めるとともに、ホールゲノムショットガン解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現地共同研究者と綿密な打ち合わせを行い、また、新型コロナウイルスなどの社会状況も考慮し、円滑に調査を進めるよう努めるとともに、単藻培養株の確立、表現型解析、遺伝的多型解析を実施していく予定である。
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Research Products
(7 results)