2018 Fiscal Year Annual Research Report
Social structure and behaviours of cichlid fishes: the social evolution models of vertebrates
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16H05773
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
幸田 正典 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70192052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 道雄 京都大学, 理学研究科, 名誉教授 (40112552)
太田 和孝 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 博士奨励研究員 (50527900)
高橋 鉄美 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (70432359)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 古典的一妻多夫 / 協同繁殖 / 血縁ヘルパー / 非血縁ヘルパー / 精子競争 / 性役割の逆転 / 最適クラッチサイズ / 性淘汰 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、ジュリドクロミス マリエリ(以下マリエリ)の古典的一妻多夫、ネオランプロローガス ヘックイ(ヘックイ)の血縁型ヘルパーを伴う協同繁殖、一夫多妻型ハレム魚の雌の保護様式などに関する潜水調査を行なった。特に前二者の調査は大きな成果が得られた。 古典的一妻多夫は鳥類ではよく知られるが、魚類での報告例はほとんどない。これは本課題研究での中心的課題であり、この研究成果の意義は大きい。20m x 22mの調査区内に約40の繁殖ユニットが確認できた。そのうち20は古典的一妻多夫であり雌は縄張り雄を2-3個体囲っており、残りはほぼ雌が雄より大きい一夫一妻であった。一妻多夫の雌はより大型であり、ここには雄の獲得を巡る雌間競争が伺われた。大型雌の孕卵数は100-150と最適保護卵数を超えていると考えられた。しかし、同時に二巣に産み分けることで、最適卵数に近い産卵数となり、高い繁殖成功を獲得していると思われる。このことが本種での一妻多夫における雌の利点が生じるプロセスである。本成果をもとに古典的一妻多夫の成立過程に置ける魚類と鳥類の類似点相似点について、詳しく検討して行きたい。 また、ヘックイでの協同繁殖の研究成果も興味深い。これまで知られる魚類の協同繁殖は、岩礁性魚類であり、本種のような完全な砂地での協同繁殖ははじめての事例である。ヘルパーの除去実験から、本種ではヘルパーが巣穴の維持と捕食者防衛に大きな働きをしていること、さらにその働きの結果、繁殖雄が一夫多妻になっていることが示唆された。このようにヘルパーの存在が、婚姻形態にまで影響をもたらしている事例は脊椎動物でもはじめてである。 また、雌単独保護種のフルキファーでは、雌が巣防衛により、巣内の藻類を繁茂させ、さまざまな間接的な効果により、子育てを有利に展開していることが示された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)