2018 Fiscal Year Annual Research Report
Introduction of lysophospholipids into clinical laboratory medicine, focusing on lipoproteins
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16H06236
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵野 信 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60621745)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リゾリン脂質 / リポ蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、リゾリン脂質の作用・代謝が、リポ蛋白の未解明な作用・疾患との疫学的な関連に関与しているという仮定をもとに、リポ蛋白研究とリゾリン脂質研究の2つの研究背景を統合することにより、リゾリン脂質研究の臨床応用、リポ蛋白学の更なる発展を、特に病態診断医学の分野にて目指したものである。平成30年度には、以下の研究成果を得た。 (1)ヒト疾患(特に糖尿病)におけるリポ蛋白中リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、リゾホスファチジルイノシトール(LPI)の変動について検討したところ、糖尿病患者ではLPEが低下し、LPIが増加することが分かった。またこれらの脂質変化は、酸化LDLの催炎症作用、HDLの抗炎症作用を部分的に説明することが分かった。 (2)NPC1L1、CETP、ApoD、CRPがスフィンゴシン1-リン酸、リゾホスファチジン酸など血漿リゾリン脂質濃度に大きな影響を与えることが分かった。 (3)作成したApoMノックアウトマウスを用いて各疾患の病態生理に対するApoM-S1Pの関与について検討したところ、ApoMノックアウトマウスは、糖尿病性腎症モデルマウス、シスプラチン腎症モデルマウスにするとその病型が著しくなることが分かった。 (4)ApoMを測定した慢性腎臓病患者の予後を調べたところ、ApoMの臓器予後マーカーとしての有用性を検討したところ、ApoMが高い患者ほど腎予後が良いことが分かった。また、肝硬変が進んだ肝疾患では、ApoM濃度が著明に低下することが分かった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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