2018 Fiscal Year Annual Research Report
複数の家族員から得られた家族データと個別事例が示す「家族全体としての機能の向上」
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16H06275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 伊織 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (20622252)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | QOL / 家族看護学 / 小児看護学 / PRO / ePRO / 評価者間信頼性 / 無作為化比較試験 / システム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族看護は、家族をシステムとして捉え、家族の関係性に働きかけ、疾患や障害のある本人を含む各家族員および一単位としての家族の健康と機能を高めることを目標としている。しかし、家族看護学における介入研究において、アウトカムとしての家族機能を家族全体の視点から評価した研究は乏しい。家族看護学のさらなるエビデンス構築のために、家族全体の視点からみた家族のQOL・家族機能の基礎データと、互いに関連する複数の評価を統合して解釈する方法の開発が必要である。そこで本研究は、養育期(子どもが生後1か月から18歳まで)の家族に焦点を当てて、各家族員のQOLと家族機能の実態(横断的関連性と経年変化)および特徴的な家族関係の変化事例を明らかにすることを目的とすして行った。 平成30年度の研究実績として、0-17歳の子どもをもつ世帯の全家族員を対象として行った質問紙調査(開発したシステムによる電子アンケート調査)の成果を公表していった。具体的には、日本家族看護学会第25回学術集会、 第6回看護理工学会学術集会、第6回QOL/PRO研究会学術集会において、電子版QOL質問票の回答しやすさに関する無作為化比較試験の実施可能性として第二養育者までを対象とした調査が可能であったこと、子どもとその養育者を対象として、電子版QOL質問表の表示形式がどのように、またどの程度測定に影響を及ぼしたかの定量、そしてメインの結果として、項目への反応性(回答項目欠損、回答所要時間、主観的回答しやすいさを含む)がどのように変化したかを示した。本研究により、電子版QOL質問票のみならず、さまざまなPRO(Patient reported outcomes)において、子どもを対象とした研究を行う場合の留意点や利点を明らかにすることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は最終年度であり、論文としての成果公表を行う。本報告を行っている4月4日時点で草稿は固まっており、一般市民への成果普及も含めて行っていく。
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