2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Novel High Performance Catalyst Tailored by Chemo-mechanical Effects
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16H06293
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石原 達己 九州大学, 工学研究院, 教授 (80184555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八島 正知 東京工業大学, 理学院, 教授 (00239740)
高垣 敦 九州大学, 工学研究院, 准教授 (30456157)
萩原 英久 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (30574793)
伊田 進太郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (70404324)
ステイコフ アレキサンダー 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 准教授 (80613231)
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Project Period (FY) |
2016-04-26 – 2021-03-31
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Keywords | 触媒 / 化学機械応力 / ナノサイズ効果 / イオン伝導性 / 光触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属分散による熱膨張差を利用した化学機械応力の導入を各種の触媒材料について検討した。光触媒については、TiO2におけるAuの分散効果を検討した。その結果、Auを分散したTiO2では化学機械応力は発生できなかったが、興味あることにAu粒子の周辺にアナタース型TiO2が安定化できることを見出した。この結果、ルチル型への相変化が抑制され、光触媒の活性が高いアナタース型TiO2が高温まで安定化し、光触媒活性が向上できることを示した。一方、新たにAuを分散したSrTiO3系について検討を行った。Auの分散により、バンド構造が変化することを見出した。これは、化学機械応力の発生により、結晶構造が変化するので、電子準位が変化することが分かった。一方、格子歪の導入効果として、巨大圧力ひねり加工効果を利用した化学機械応力の導入を検討した。その結果、TiO2では、Ti3+が多く生成し、光触媒活性の向上を見出した。巨大圧力ひねり加工処理で作成した触媒は、化学機械応力により大きな光触媒活性を達成することを示すことが分かった。一方、NOの直接分解活性への化学機械応力の発生を引き続き検討した。今年度はBa3Y4O9についてAuの分散効果を検討した。その結果、Ba3Y4O9系では応力の発生はできなかったが、酸素の生成がAuの分散で増加した。 レーザーアブレーション法での電極成分の製膜と基板との引っ張り応力による表面反応性の変化を検討した。今年度は新規な酸素イオン伝導体としてのBa3MoNbO8.5の系について、酸素イオンの伝導経路を検討するとともに、添加物効果を検討した。その結果、種々の元素でMoまたはNbの添加が可能であり、とくにTiの添加が有効であった。この材料のナノ薄膜化を検討した。伝導度が高いと考えられる(110)面に配向した薄膜を得ることができ、格子定数から引っ張り応力の発生が行えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ目的とした検討事項を計画通りに行っており、上記の判断をした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までにいくつかの触媒系について、興味ある化学機械引っ張り効果を見出すことができたので、今後は主に化学機械引っ張り応力が正の効果を発現する機構について、引き続き詳細な検討を行う予定である。具体的には化学機械応力の発生した電極材料や触媒材料について熱膨張が小さい、Ptの分散を行うことで、圧縮化学機械応力の発生と表面組成および触媒活性の変化を詳細に検討し、化学機械応力の発生が、熱膨張差により生じることを示す。また、化学機械応力の発生でバンド構造が変化することが分かったので、各種材料の表面組成を低エネルギー散乱分光法やX線光電子分光法で、物性と化学機械応力の関係を検討する。一方で、ex-solutionという方法で、エピタキシャル的に作成した金属ナノ粒子の機械的な応力の発生が興味ある現象を生じると期待できるので、詳細に検討するとともに、燃料極としての性能の向上や、各種触媒性能の向上についても評価を行う。また第一原理計算により、このような電子状態の変化とモデルとの妥当性を検証する。一方で、金属分散法に加え、化学機械応力を発生する手法として巨大圧力ひねり加工を利用する化学機械応力と欠陥の導入効果を引き続き検討する。次年度はBa3MoNbO8.5などの新規材料への引っ張り応力の発生を行う予定である。 レーザーアブレーション法による製膜では化学機械応力の発生による燃料極特性の向上する機構を、酸素同位体を用いて検討するとともに、バルクの酸素の伝導性や構造を、透過型電子顕微鏡を用いて詳細に観察する。
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Research Products
(32 results)