2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism and physiological understanding of Autophagy
Project/Area Number |
16H06375
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大隅 良典 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任教授 (30114416)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 朋子 (川俣朋子) 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70435527)
|
Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
|
Keywords | オートファジー / ATG / タンパク質分解 / RNA分解 / 酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーの研究はこれまでその膜動態の分子機構の解明に重点が置かれたため、主としてオートファジーの誘導効率がよい窒素源飢餓条件で集中的に解析が進められてきた。オートファジーの全体像を理解する上では、如何なる条件でオートファジーが誘導されるかを解析することが必須である。酵母の系の優位性を生かして様々な必須栄養素を欠失した培地に細胞をシフトして、オートファジーを誘導の有無を網羅的に解析した。その結果,必須金属イオンである亜鉛の飢餓が強くオートファジーを誘導することが分かった。従来知られている亜鉛飢餓よりもさらに過酷な亜鉛欠乏条件が必要である。これにより亜鉛タンパク質が液胞に取り込まれ分解されて生じた遊離の亜鉛が細胞質に戻されることによって、イオンの実効濃度が上昇し、細胞の増殖を支えていることが明らかになった。 一方標準的なグルコース合成培地では、オートファジー欠損株はグルコース消費後にダイオキシックシフトが起こらない。その理由はその過程でオートファジーによる鉄イオンの供給が不全となることによる。このようにオートファジーは細胞質のイオンホメオスタシスに重要な役割を持つことが明らかとなった。 さらに炭素源飢餓によるオートファジーが Carbon Catobolite Repressionの制御下にあることを明らかにした。このような種々の条件で起こるオートファジーの定量的解析、および分解基質の同定のための基盤が確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画は概ね順調に進んでいる。酵母のオートファジーによる液胞内の細胞質タンパク質の分解に伴い、 亜鉛や鉄イオンが液胞から遊離することで、細胞質の実効濃度が制御されており、オートファジーのイオンホメオスタシスにおける重要性が明らかとなった。 細胞が増殖条件下で誘導されるオートファジー、炭素源の転換に伴う種々のオートファジーを解析するための系の確立が進んだ。 分解基質の解析に必要な、オートファジックボディを取り込んだ状態の液胞の精製、さらにオートファジックボディの単離条件を検討し、多数の誘導条件に適用可能な方法が確立しつつある。 液胞内Rny1欠損株が蓄積する RNA分解を網羅的に解析することにより、オートファジーによる mRNA,tRNA,ncRNAの網羅的解析を開始した。
|
Strategy for Future Research Activity |
過程におけるオートファジーの動態を明らかにした。グルコースによってオートファジーが抑制されること、グルコースの枯渇に伴うダイオキシックシフト時にオートファジーが誘導されることを明らかにした。培地を検討し炭素源の状態変化に対応した各増殖相における多様なオートファジーの誘導を解明した。エタノール増殖細胞は構成的オートファジーを起こすことを示した。
|
Research Products
(10 results)