2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive, spatiotemporal study and applied research of carboxydotrophs
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16H06381
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
左子 芳彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (60153970)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 天士 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80305490)
緒方 博之 京都大学, 化学研究所, 教授 (70291432)
五斗 進 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (40263149)
安田 尚登 高知大学, 教育研究部自然科学系理学部門, 教授 (90175646)
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| Project Period (FY) |
2016-05-31 – 2021-03-31
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| Keywords | 一酸化炭素資化性菌 / CO代謝 / ゲノム解析 / 海洋コア / メタンハイドレード |
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| Outline of Annual Research Achievements |
一酸化炭素資化菌は、環境中の有毒な一酸化炭素(CO)をCOデヒドロゲナーゼ(CODH)により除去し水素を生成することから、環境中の代謝活性を促進する「潤滑油」として機能すると考えられる。そこで本菌の特性を分子生物学的手法にて総合的に理解し、C1化学への展開に向けた持続的低炭素社会の基盤を構築することを目的とする。本年度の研究成果は次の通りである。
1) 異なる菌叢の多様な熱水環境の堆積物にCO資化菌Carboxydothermus属細菌やCarboxydocella属細菌が広く分布することを示し、また鹿児島県沖の海洋コア試料からGeobacillus属CO資化性菌2株の分離に成功した。 2) 鹿児島県トカラ列島の鬼界カルデラの海洋コア試料から分離された、CO資化性菌の新属種Calderihabitans maritimus KKC1株の全ゲノム解読に成功した。既報の生物中最多の6つのCODH遺伝子を有し、CO由来の電子を用いて多様な代謝を駆動するとの示唆を得た。米国微生物学会のAppl. Environ. Microbiol.に本論文が受理され、その特異な性状が注目され本種の電子顕微鏡写真が同表紙に掲載された。 3) 生物情報学的アプローチにより、本菌の鍵酵素であるCODHは幅広い生物群に含まれており、これらのCODHを新規な系統群を含む7つの系統群に分類し、CODHの構造多様性を明らかにし、新奇の構造モチーフを持つと予測されるCODHを見出した。 4) 前年度クロスオーミックス解析が進展し、Carboxydothermus pertinax Ug1株は水素生成と共役するCODHを欠失するが、異なるCODHを代替することでCO酸化と水素生成を共役させることを示した。また、CO資化と共役する水素生成経路のみならずTCA回路の還元的利用による炭素固定を行うことが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鹿児島県トカラ列島の鬼界カルデラの海洋コアから初めて分離されたCO資化性菌の新属種C. maritimus の全ゲノムを解読し、既報生物の中で最多の6つのCODH遺伝子の存在を明らかにした。また鹿児島湾沖の海洋コアサンプルよりGeobacillus属CO資化性菌の分離に成功し、近い将来遺伝子組換え実験が期待できる。次にデータベースを利用してCODH遺伝子ライブラリーを既存の約8倍に拡充し、本酵素の新奇な機能を見出した。さらにクロスオーミックス解析によりCO代謝性の多様性を示すことに成功した。しかしながら、環境中におけるCO資化性菌の網羅的探索およびその定量には至らず、上記の評価となった。
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| Strategy for Future Research Activity |
海底堆積物から分離されたGeobacillus属CO資化性菌の生理性状解析を行う。さらに本種の全ゲノム解析を行って、CODH遺伝子群の構成を明らかにしCO代謝系を探る。次にGeobacillus属CO資化性菌を宿主とした遺伝子組換え系を構築する。CODH遺伝子ライブラリーにおいて、新奇な機能を有するとされるCODH遺伝子を本組換え系に導入し、発現させることにより、その機能を明らかにする。またクロスオーミックス解析によって明らかとなったCO代謝時に駆動されるCODH遺伝子を標的とした転写解析を行い、環境中におけるCO資化性菌の活性を明らかにする。
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Research Products
(11 results)
