2016 Fiscal Year Annual Research Report
研究力を測る指標(分野別・大学機能別)の抽出と大学の研究力の可視化に関する基礎的研究
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16H06580
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
小泉 周 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター), 新分野創成センター, 特任教授 (10296551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
調 麻佐志 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (00273061)
川本 思心 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (90593046)
鳥谷 真佐子 慶應義塾大学, システムデザインマネジメント研究科, 講師 (90420819)
後藤 真 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90507138)
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Project Period (FY) |
2016-07-15 – 2018-03-31
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Keywords | 研究力分析 / メトリクス / 指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、大学におけるグループパフォーマンスとしての研究力を比較する場合に、従来の量と質の指標だけではとらえられない研究力があることを我々は見出した。量と質以外に、安定的で厚みのある研究力を評価する指標が必要である。こうした状況を我々は、「厚み」として定義する。厚みとは、日本語で、安定的で継続力・持続力がある状態を指す言葉である。 さらに、こうした大学の研究力の「厚み」を図る指標として、我々は、institutional h5-indexを提案した。従来のh-index を大学や機関レベルにあてはめたもので、また、過去の歴史の長さに依存させないために、過去5年間という区切りをつけてみたものである。つまり、大学や分野ごとなど、ある5年間の発表論文群を分析し、「被引用数がX回以上の論文がX本ある」としたとき、このXの数字を、その大学や分野ごとの論文群のinstitutional h5-indexと定義したものである。 このように、従来の量と質の指標にくわえ、第三の軸として厚みを加えることによって、論文生産を一つの山とみなし、三次元的に捉えることができると考えられる。 ある大学が、とにもかくにもトップ論文重視であれば、その場合には、トップ論文割合で評価することができるであろう。また、別の大学は、論文数を重視することが重要なのであれば、論文数や、平均の質を重視することでパフォーマンスを把握できるであろう。また、量や質よりも、安定性や継続性などのグループパフォーマンスを重視し、厚みを評価する、そういう大学があってもいい。 さらに、我々は、国際性を測る新指標、ならびに、人文社会系の研究成果を測る指標の提案等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
指標開発など順調に進んでいる。今後は、新指標・新概念の公表、大学ごとの分析とディスカッション、その文科省への報告、英国のスノーボールメトリクスなど国際的な取り組みとの連携などを、引き続き行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新指標・新概念の公表、大学ごとの分析とディスカッション、その文科省への報告、英国のスノーボールメトリクスなど国際的な取り組みとの連携などを、引き続き行う。
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