2016 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール代謝遺伝子多型と飲酒量が頭頸部癌症例の血清マグネシウム濃度に与える影響
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16H06774
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
有泉 陽介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (30444110)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | マグネシウム / ALDH2遺伝子 / ADH1B遺伝子 / 飲酒 / 頭頸部癌 / 化学放射線療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的はシスプラチン投与を受ける我が国の頭頸部癌症例において、アルコール代謝関連遺伝子(ALDH2, ADH1B)の多型と飲酒量の低マグネシウム血症への寄与を定量することである。平成28年度の計画は本研究に必要なサンプルサイズを見積もるためパイロットスタディを行うことであったが、【現在までの進捗状況】に記載した通り年度内にパイロットスタディは行えず、平成29年4月に行うこととした。 本研究着想の元になった症例シリーズ報告(市中病院における頭頸部癌に対する化学放射線療法の臨床検討 高用量シスプラチン使用の安全性とマグネシウム補充による腎保護作用について, 頭頸部癌)に関する論文を予定通り投稿し、掲載された。頭頸部癌症例において、マグネシウムを点滴補充することでシスプラチンによる腎毒性を軽減出来ることを初めて示した。症例シリーズ報告の中で、飲酒量が極めて多い症例は低マグネシウム血症が高度でありシスプラチンによる毒性が強く出現していた。今後、本研究において遺伝子多型別に飲酒量と血清マグネシウム濃度の用量反応関係を求め、検証を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当院倫理審査の通過とオンライン症例登録システムへの登録において、予想外に時間を要したため。 平成28年9月の科研費交付内定後、院内倫理審査委員会への申請と審査を行った。倫理審査委員から遺伝子検査検体送付の方法について当初研究計画の内容では許可が下りず、申請内容の修正が必要であった。また遺伝子検査キット(爪用)が販売停止になることが分かり、遺伝子検査キット(口腔粘膜用)への変更を余儀なくされた。倫理審査委員会への申請前に、学内統計家と統計学的な妥当性について議論を行った。平成29年1月末に倫理審査を通過した。これにより本学内のオンライン症例登録システムが利用可能になり、症例登録フォーマットを作成し、3月に本稼働することが出来た。平成28年度は今後の研究に必要な準備期間と考え、必要な物品を購入し、平成29年4月からパイロットスタディを行うことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画より僅かに遅れてはいるものの、平成29年4月28日現在、すでに5例のパイロットスタディを行っている。パイロットスタディの例数を増やすべきか否か、統計家と相談中である。5月中には必要なサンプルサイズを決定し、本試験開始する。平成29年度中に本試験を終了して国内外で学会発表と論文発表を行う。サンプルサイズが不足するようであれば、関連施設との多施設共同研究に変更する。
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Research Products
(2 results)