2017 Fiscal Year Annual Research Report
An empirical investigation in order to develop a descriptive Japanese language comprehension test
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16H07038
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安永 和央 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (80777665)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 国語テスト / 回答欄 / 字数制限 / 大学入試 / 得点率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,大学入試の国語テストを用いて,高校2年生を対象に回答欄の字数制限の有無が能力評価に及ぼす影響ついて検討した。問題本文の内容は,ニホンザルやゴリラの社会を通して,人間の社会について考えるものであった。検討した設問の内容は,設問1:人間の社会とゴリラの社会にどのような共通点があるかを説明する問題,設問2:人間の社会とゴリラの社会にどのような相違点があるかを説明する問題であった。各設問について,A条件(字数制限あり)とB条件(字数制限なし)の2つの回答欄を設定した。具体的には,設問1では,A:「50字以内で説明せよ」,B:字数制限なし,設問2では,A:「70字以内で説明せよ」,B:字数制限なしの回答欄を設定した。高校2年生303名が受検し,回答時間は45分であった。 分析の結果,設問1では,A条件,B条件ともに得点率が約0.8と高く,両条件に差が見られなかった。設問1に正答するためには,人間とゴリラともに,1)トラブルを勝ち負けで解決しない,2)第3者が仲裁に入ることにより対等性を維持する,という内容を記述する必要があるが,字数制限の有無にかかわらず2つの内容を回答している受検者が多かった。設問2では,A条件,B条件ともに0.4程度の得点率であり,こちらも両条件に差が見られなかった。設問2に正答するためには,1)ゴリラの社会では優劣を認知せず対等性を徹底している,2)人間の社会では相手に対し優位に立ちたいと思うこともあり対等性が徹底されていない,という2つの相違点を対比させて記述する必要がある。字数制限の有無にかかわらず,2)の内容のみの回答が多く見受けられた。その理由として,ゴリラの社会の特徴については設問1の共通点で既に述べてられていることから,多くの受検者が設問2では相違点として人間の社会の特徴のみを回答すればよいと考えたと推察された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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