2016 Fiscal Year Annual Research Report
個別化医療を目指した生活習慣病に関する薬剤疫学の国際共同研究
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16H07201
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
橋本 梓 (原梓) 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (20740426)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 薬剤疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大規模長期前向きコホート研究であるロッテルダム研究の薬剤疫学データを用いて、HMG-CoA還元酵素阻害薬の薬剤感受性遺伝子を検討し、また、我が国の大規模長期前向きコホート研究である次世代多目的コホート研究において、薬剤疫学データの整備・検証を行うことを目的としている。 1.ロッテルダム研究におけるHMG-CoA還元酵素阻害薬の薬剤感受性遺伝子多型の探索 ロッテルダム研究は、1989年に開始されたオランダロッテルダム郊外のOmmoord地区の55歳以上の住民を対象とした、長期前向きコホート研究である。第1期、第2期、第3期、第4期と追跡研究が行われており、地域の家庭医の処方データおよび薬局データは1997年1月より収集されている。平成28年度は、ロッテルダム研究における解析のための、集積された1997年以降のHMG-CoA還元酵素阻害薬の処方データを整備し、コレステロールデータ、ゲノム情報、その他の基礎特性データと突合することで、解析のためのデータセットを作成し、平成29年度に行う解析の準備を整えることができた。 2.次世代多目的コホート研究における、薬剤疫学研究の構築に向けた薬剤レセプトデータの検証 次世代多目的コホート研究は、2011年に開始された大規模長期前向きコホート研究であり、質問票による食事・生活習慣や検診データに加え、ゲノム情報や電子化医療情報も収集されている。平成28年度は、次世代多目的コホート研究において、コホート研究対象地域内のレセプトデータの収集およびデータの検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教育業務の多忙により、共同研究先及び対象地域コホートに出張する十分な時間を確保するのが困難であり、特に現在収集されているレセプトデータのマネジメント・クリーニングに時間を要しているため。また、欧州施設への視察、意見交換に関して、日程が合わず、今年度中の訪問が不可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、ロッテルダム研究のデータセットを用いて解析を進め、さらに得られた結果に関してリプリケーション研究を行い、それらをまとめ学術雑誌に発表する。同時に、次世代多目的コホート研究では、質問票等から得られる薬剤データに関しても、データベースの作成を行い、レセプトデータと共に、薬剤データの検証を行う。 1.ロッテルダム研究におけるHMG-CoA還元酵素阻害薬の薬剤感受性遺伝子多型の探索 (1)解析:HMG-CoA還元酵素阻害薬の薬剤感受性遺伝子多型に関する解析を進める。必要に応じて、ロッテルダム研究の研究班での会議に参加する。(2)リプリケーション研究:The GIST consortiumにおいて、リプリケーション研究を行い、結果を検証する。(3)結果の公表および社会への提言:これまでに得られた成果のまとめを行い、研究論文の執筆・公表を行う。また、学会発表や研究室ホームページ等を通して社会や研究成果を還元する。 2.次世代多目的コホート研究における、薬剤疫学研究の構築に向けた薬剤レセプトデータの検証 次世代多目的コホート研究で行われている質問票の服用薬剤に関する記述回答等から得られた薬剤情報に関しても電子データセットを作成する。レセプトから作成した薬剤データベースとともにデータの検証を行う。最終的に、薬剤データをコホートデータ全体に突合する。
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Research Products
(1 results)