2016 Fiscal Year Annual Research Report
染色体不安定性を伴わない野生鳥類無限分裂細胞を用いた鳥インフルエンザ評価系の構築
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16H07432
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
片山 雅史 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 特別研究員 (80784090)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 不死化細胞 / 鳥類 / 鳥インフルエンザ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、哺乳類で有用であることが報告されている、方法を用いて鳥インフルエンザ評価系の構築を目指した、鳥類の不死化細胞の樹立を試みている。鳥インフルエンザは海外の発生源から野生鳥類を介して日本国内に持ち込まれ、パンデミック感染の危険性が示唆されている人獣共通感染症である。このような人獣共通感染症をIn vitroで評価できれば、簡易的かつ迅速的な鳥インフルエンザの感染経路や変化を続ける新規鳥インフルエンザウイルスの機能評価を行うことができる。一方で、初代培養細胞は、細胞老化現象により、数回の細胞分裂ののちに増殖が停止してしまうため、in vitroにおける感染症評価には不向きである。初代培養細胞がもつ細胞老化という問題を乗り越えて、In vitroで安定して維持可能な野生鳥類を含めた鳥類の細胞株が樹立できれば、比較的簡便に細胞周期や細胞老化状態などを含めた細胞条件を揃えて鳥インフルエンザ感染を評価できる可能性がある。このような背景のものと、本研究では野生鳥類を含めた鳥類の不死化細胞の樹立を試みている。 本研究では、野生鳥類を含めた鳥類由来の線維芽細胞へヒト由来の遺伝子挿入により不死化細胞の樹立を試みている。その後、細胞増殖の解析および細胞老化状態の検出などにより樹立した不死化細胞の無限増殖性や細胞老化状態を解析している。将来的には、鳥インフルエンザウイルスの感染実験を実施し、インフルエンザウイルスの感染成立や細胞内増殖の評価系としての有用性の確認を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ヒト由来の遺伝子を鳥類由来の線維芽細胞に導入することで細胞老化をある程度回避することができた。しかしながら、哺乳類で報告されている方法だけでは不十分であり現在さらなる検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、鳥類細胞におけるDNA損傷による細胞へのダメージに起因する細胞老化機構を検討し、新たな遺伝子導入を検討しようと考えている。
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Research Products
(2 results)