2018 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の周辺症状に対するSigma-1受容体アゴニストの作用機序の解明
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16J02855
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
泉 久尚 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | AD モデルマウスにおける周辺症状解析 / 酸化ストレスと炎症反応の増大 |
Outline of Annual Research Achievements |
12 ヶ月齢の雄性アルツハイマー病 (AD) モデルマウスはうつ様症状及び不安様行動減弱が認められた。アミロイドβは活性酸素種 (ROS) の発生を増加させ、酸化ストレスを引き起こすことで炎症反応を増大することが知られている。今回用いた AD モデルマウスにおいて同様の現象が認められるか検討を行った。結果、AD モデルマウスの海馬 CA1 及び CA3 領域において酸化ストレスが上昇していることが明らかとなった。アミロイドβ やROS などの要因によるミクログリアの過剰な活性化により炎症性サイトカインの過剰産生が引き起こされ、AD などの神経変性疾患の病態形成に関与することが示唆されている。免疫染色法及び RT-PCR 法を用いた検討から、AD モデルマウスの海馬領域では WT マウスと比較して活性化ミクログリアの増加が認められ、また、炎症反応促進因子である TNF-α 及び IL-1β の mRNA レベルの上昇が認められた。このことから、AD モデルマウスではアミロイドβによる酸化ストレスの増大がミクログリアの過剰な活性化を引き起し、脳内における炎症反応を増加させていることが示唆された。炎症反応の増大はうつ様行動、記憶障害などの原因となり得る。また、Sigma-1 受容体の活性化による抗炎症作用も報告されていることから、 SA4503 による周辺症状の改善と抗炎症作用の関連について検討を行う必要がある。また、マウスの急性脳スライスを用いた検討を行い、Sigma-1 受容体のアゴニストである SA4503 の処置が BDNF の発現を有意に増加させることを明らかにした。このことから、Sigma-1 受容体アゴニストはアルツハイマー病において BDNF 量の増加を介してその症状を改善できる可能性が示唆される。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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