2016 Fiscal Year Annual Research Report
根毛細胞の可塑的な伸長成長を支える転写制御ネットワークの解明
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16J07464
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| Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
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Principal Investigator |
柴田 美智太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員(PD) (20734817)
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| Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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| Keywords | 転写制御ネットワーク / 根毛 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナの根毛の長さは、植物の周りの環境、特に土壌中の無機栄養素の量によって変化する。このことは根毛があらかじめプログラムされた成長に加えて、外部環境に応答した柔軟な成長制御がなされていることを示している。本研究では、その柔軟な成長制御機構を転写制御という観点から明らかにするために、転写因子による根毛の成長を調節する遺伝子制御ネットワークの解明を行っている。
当該年度では、転写因子-プロモーター間の相互作用を網羅的に解析することができる酵母ワンハイブリッドスクリーニングを実施し、得られたデータの解析を行った。
現在までの解析から、窒素やリン酸、鉄分といった根毛の成長に大きな影響を及ぼす無機栄養素に対して応答する転写因子が、根毛の成長に必要な遺伝子を直接的に制御することが見えてきている。同様に、オーキシンやエチレンなど根毛の成長に重要な役割を担う植物ホルモンに対して応答を示す転写因子が根毛の成長に必要な遺伝子を直接的に制御することも見えてきている。
今後は、解析から示唆される転写制御関係を変異株や過剰発現株を用いて遺伝学的に解析していく。また、クロマチン沈降解析、プロモーターアッセイなどによりin vivoでの転写因子-プロモーター間の結合を検証し、実際に植物内でどのように機能を発揮しているのかを解明する。そして環境適応機構という文脈の中で、根毛の長さを柔軟に制御する生物学的な意義を考察する。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、申請した計画通りにアメリカに赴き、限られた期間のなかでスクリーニングを完了できた。スクリーニングの結果に関しても、これまでに知られていない転写制御関係を多数示唆するものであり、期待以上の成果となっている。速やかに2年目以降の研究に移行できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、根毛の成長を制御する上で重要な役割を担う転写因子が見出されてきている。今後は、スクリーニングから見出された転写因子の機能解析へと移行し、見出された転写因子-プロモーターの結合関係が実際に遺伝子発現制御につながっているのか、示唆される転写制御ネットワークがどのように根毛の成長制御に寄与しているのか、など生物学的な機能を明らかにしていく。そして、得られた転写制御関係を統合し、根毛の成長を制御する網羅的な転写制御ネットワークを描き出す。
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[Journal Article] ABA Suppresses Root Hair Growth via the OBP4 Transcriptional Regulator.2017
Author(s)
Rymen, B., Kawamura, A., Schafer, S., Breuer, C., Iwase, A., Shibata, M., Ikeda, M., Mitsuda, N., Koncz, C., Ohme-Takagi, M., Matsui, M., and Sugimoto, K.
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Journal Title
Plant physiology
Volume: 173
Pages: 1750-1762
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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