2017 Fiscal Year Research-status Report
人の真の情報ニーズを汲み取るコンシェルジュ型資料検索システムの構築
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16K00450
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
原田 隆史 同志社大学, 免許資格課程センター, 教授 (30218648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼宗 進 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (00377045)
逸村 裕 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (50232418)
宇陀 則彦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (50261813)
岡部 晋典 同志社大学, 学習支援・教育開発センター, 助教 (60584555)
佐藤 翔 同志社大学, 免許資格課程センター, 助教 (90707168)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 図書館システム / 情報検索 / 情報推薦 / 書評 / 貸出記録 / 感性検索 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の研究とその評価を行った。 (1) 書評中の単語を元にしたパラメータと読者の付与したパラメータとの比較:小説を対象として読者が読後に受ける印象を示すパラメータ(感性パラメータ)の付与を行うにあたり,人手でパラメータ付与を行う場合と書評中にみられる形容詞および名詞を基に機械学習によって付与するとを比較した。その結果,両者が完全に一致する割合は約32%にとどまり,プラスマイナス1までを正解とみなした場合でも約60%であった。これは,人手で付与する場合には極端な評価は行われない傾向が強いことが大きく影響していると考えられる。実際に,0~5という6段階評価の0や5はほとんど付与されず,1や4もそれほど多くなかった。パラメータの種類別では「興奮した-冷めた」「温かい-孤独な」「和む-辛い」では比較的一致する傾向が見られ,「驚く-平凡な」「明るい-暗い」「爽やか-どんより」についてもある程度の一致が見られたが,それ以外のパラメータでは一致する割合が低い結果となった。 (2)図書館における同時貸出とNDCを用いた図書の推薦:図書館で同時に多数の図書を貸し出す場合には関連する図書が借りられることが多い。しかし,すべての同時貸出が関連するとは限らないことも確かである。そこで,本研究では同時貸出データとNDCとを組み合わせることで同時貸出だけを使用する場合に混入するノイズの低減を試みた。その結果,単純に同時貸出データとNDCとを組み合わせた場合,必要な図書が取り除かれてしまうという負の面が多いことが明らかとなった。しかし同時に,全くジャンル的に関係がないNDCが存在することも見いだすことができた。このことは,同時貸出データとNDCとの組み合わせにおいては,「検索語 NOT 関連がほとんどないNDC」のように関連がない主題の図書を取り除くという手法が有効である可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システム構築に必要な知見を十分に得られており、最終年度にこれらの知見に基づいたシステムを実際に構築・評価することで、研究の目的を達成できるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度中にここまでの知見を反映したコンシェルジュ型資料検索システムを構築し、その評価を行う。システムに盛り込むべき要素を、主として感性パラメータによる気分にあった図書の検索・推薦と、同時貸出記録とNDCに基づく主題とシチュエーションに応じた図書の検索・推薦に絞り込むことで、年度内のシステム完成・評価を実現できるものと考えている。
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Causes of Carryover |
初年度に購入を見送った日外アソシエーツBOOKデータベースについて、本年度も購入を見送ったたため残額が生じた。平成30年度の購入を検討している。
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Research Products
(5 results)