2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular level analysis of trace metal-organic complex using FT ICR MS
Project/Area Number |
16K00521
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
杉山 裕子 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (40305694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 勝利 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00271792)
丸尾 雅啓 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80275156)
早川 和秀 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 副部門長 (80291178)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 溶存有機物 / 有機配位子 / FT ICR MS |
Outline of Annual Research Achievements |
水中に微量に存在する Cu や Fe などの金属元素は生命活動に必須な元素として知られているが、その大部分が溶存有機物と錯形成を行っていることが知られている。錯生成反応により、有害金属の毒性が緩和されたり、難溶性金属イオンの水中での安定性が増すなど、水圏における生物活動・物質循環が制御されているにもかかわらず、水中に存在する有機配位子の化学構造や供給源については解明されていない。本研究では固定化金属アフィニティクロマトグラフィー (Immobilized Metal Affinity Chromatography : IMAC) を用いて琵琶湖水試料からCu-有機配位子錯体の分離・濃縮を行い、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析(Fourier transform ion cyclotron resonance mass spectrometry: FT-ICR MS)の適用による分子の同定を試みた。有機配位子の分離は配位pHを7に、溶離pHを3.0に調整した。質量分析の際にはC18固相抽出をおこなった。質量分析は 9.4テスラの超伝導マグネットを備えた FT-ICR 質量分析器により測定した。測定はネガティブイオンモードで行い,イオン化はエレクトロスプレーイオン化法を選択した。質量イオンピークの分子式は,Molecular Formula Calculator v1.1(@NHMFL)を用いて 予測した。 このようにして±0.9 ppm の範囲で分子式を予想することができたピーク数は 141 で あった。IMAC により分離された有機配位子は、リグニン領域および脂質・タンパク領域を中 心に分布した。しかしながら、O/C の大きい炭水化物領域や縮合タンニン領域にも分子が見出された。縮合芳香環領域(Condensed HA)にはほとんど検出されなかった。
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