2016 Fiscal Year Research-status Report
デジタルデバイスを用いたコミュニケーションデザインプログラムの開発
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16K00727
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
有賀 妙子 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (70351286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 公一 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (60210118)
真下 武久 成安造形大学, 芸術学部, 講師(移行) (10513682)
日下 菜穂子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70309384)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コミュニケーションデザイン / 教育プログラム / メディア表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
立場の異なる他者とのコミュニケーション力を育むため、他者と共に「表現する」教育プログラムのデザインを行う。具体的には、行動に制約があるような状況の高齢者とパートナーとなり,その人との語りを通して、共に物語を構想し、タブレット端末上で見る形のデジタル絵本を制作する内容のプログラムである。 これまでに、教育プログラム内容を検討し、デジタル絵本として素材ファイルを統合、公開するWebアプリ、閲覧に使用する携帯端末用アプリを開発した。28年度には、それらを使い、老人保健施設において、デジタル絵本制作プロジェクトを実践し、プログラム内容を検証した。プログラム終了後パートナーと学生に対して、各過程の満足度などを5段階で選択し、その理由を自由記述で問うアンケートを行った。プロジェクト後、できた絵本に満足しているか、制作は楽しかったかを尋ねた質問では、8名のパートナーの内7名が最高評価で回答した。活動に参加したことで、その日1日の気分が改善され、ポジティブな感情をもてることを重視する介護現場の観点で評価を得た。 また、共同制作の観点でみると、パートナーの回答には、普段話せないことを話せた、チャレンジであり新鮮で楽しい経験だったという感想に加えて、自分の拙い絵も絵本となると面白い、自分の声が入ると印象が変わるなど、表現への言及があった。この点で、ケア現場での通常の傾聴とは違い、共同制作プロジェクトは自己肯定感を高めるメリットをもつ。また、普段「ケアされる」立場の高齢者が、制作活動において自分の話をテーマとして提供し、絵を描いたり、ナレーションを読んだり、「何かをしてあげる」能動的立場に立ち、それに満足を感じたことは、固定的立場の転換という当初の狙いを満たすプログラムとして機能したと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の計画は、(1)教育プログラム内容の検討、(2)デジタル絵本制作用アプリの開発であった。 (1)に関して、構築した教育プログラムに基づき、開発したアプリを使用し、老人保健施設にてデジタル絵本の制作プロジェクトを実施し、教育プログラムの内容を検証した。パートナーの話を出発点としつつ、抽象度を高め、制作者や家族以外の読者が楽しみ、思索できる作品を目指した。その結果、プログラム内容を大きく変更する必要はないと判断している。 また、(2)については、老人保健施設での実践を受けて、仕様の検討を進めた。多くの教育現場で本教育プログラムの実施が容易になるように、制作のためのWebアプリの仕様を検討、設計を行った。
加えて、閲覧用Webアプリに改善を加えた。デジタル絵本を構成する素材ファイル(画像、音声、テキスト)をWebサーバ上に配備し、それを統合し閲覧するための2つのツールを用意している。ひとつは絵本をWebブラウザで閲覧するためのWebアプリ、もうひとつは環境を問わずに閲覧するためのタブレット端末用アプリである。これらは絵本を共同制作者同士で共有するとともに、完成版を公開するツールとして活用する。28年度は、携帯端末用アプリがなくても、ネットワーク環境があればどこでも閲覧ができるWebアプリの機能を検討し、デジタル絵本の数が増えた場合にも見やすいように変更を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度の実施結果を踏まえ、次のように研究を進める。 ・デジタル絵本制作用Webアプリの設計に基づき、開発を行う。 ・当初3年目に教育プログラム実施のためのワークブックの制作を計画していたが、それを早め、29年度に誰もが容易に教育プログラムを導入できるようなワークブックを制作する。 ・29年度に開発する制作用Webアプリならびにワークブックを使用して、デジタル絵本の共同制作プロジェクトを再び老人保健施設にて実施し、その結果を検証する。
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Causes of Carryover |
当初28年度に予定していたデジタル絵本制作ツールの開発を、28年度は仕様決定と設計に留め、実装と運用テストは29年度に行うことにしたことにより、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
デジタル絵本制作のためのWebアプリの実装と運用テストの費用に充てる。
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Research Products
(2 results)