2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of blackcurrant phytoestrogens on vascular endothelium and skin
Project/Area Number |
16K00844
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
七島 直樹 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (80333730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 香代 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (30626825)
冨澤 登志子 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70333705)
北島 麻衣子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (70455731)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カシス / 血管内皮機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでにカシスには植物性エストロゲン(フィトエストロゲン)活性があることを見出してきた。エストロゲンの分泌が低下することによって引き起こされる女性の更年期障害の一つとして血管内皮機能の低下があり、これは動脈硬化の危険因子とされている。フィトエストロゲンの摂取はこれら更年期障害を軽減することが期待される。そこで、令和元年度における本研究の目的は血管内皮細胞を用いたカシスのフィトエストロゲン作用の検証と喫煙者における血管内皮機能低下がカシスの摂取で改善されるかを検討することである。 ヒト血管内皮細胞にカシス抽出物(BCE)を投与すると血管を拡張させて、血流を調整する働きをする一酸化窒素(NO)の合成酵素であるeNOS(血管内皮型一酸化窒素合成酵素)の遺伝子レベルでの発現亢進が認められた。この発現亢進はエストロゲン受容体阻害剤の存在下では認められないことから、BCEは血管内皮細胞においてフィトエストロゲン効果を発揮していることが示唆された。さらに、卵巣を除去した更年期モデルラットでは、血管内皮細胞においてカシス投与群の方がeNOSのタンパクレベルの発現が亢進した。一方、ヒト試験において、喫煙者では血流依存性血管拡張反応(FMD)が低下するがカシスの摂取によってFMDが改善した。以上より、カシスには血管内皮機能を改善する効果があり、特に更年期障害における動脈硬化症の予防効果があることが示唆された。
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Research Products
(5 results)