2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K00914
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
桑野 稔子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (20213647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 広子 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (60438190)
橋本 彩子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (70781813)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自律神経活動 / 食物摂取状況 / 咀嚼能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、咀嚼能力、客観的ストレス評価(唾液コルチゾール、唾液クロモグラニンA、自律神経評価)、主観的ストレス調査、食物摂取状況との関連について多角的に調査研究し、ストレスとの関連を栄養状態も含め総合的に検討することである。 初年度の平成28年度は、青年期女性における自律神経活動と身体・食生活状態との関連について検討した。研究倫理審査委員会の承認後、研究同意を得た青年期女性31名に対し、自律神経機能測定、身体計測、咬合力測定、血圧測定、秤量法による食物摂取状況調査、生活習慣や食習慣に関するアンケート調査を行った。安静時の自律神経機能測定には、加速度脈波測定システムにより、LF(低周波領域)/HF(高周波領域)を測定した。対象者をLF/HFが3.0以上(緊張・興奮状態)の者(3.0以上群)と3.0未満(安静状態)の者(3.0未満群)の2群に分け、各調査項目との関連を分析した。 その結果、身体計測においては、3.0以上群は3.0未満群に比べ、除脂肪体重が有意に低値を示した。食物摂取状況調査においては、3.0以上群は3.0未満群に比べ、炭水化物エネルギー比率が有意に低値、脂肪エネルギー比率が有意に高値を示した。また食品群別摂取重量については、米類の摂取が有意に低値を示した。さらに睡眠の質を評価するアンケート結果では、3.0以上群は3.0未満群に比べ、入眠時間が有意に長かった。咬合力に関しては、2群間に差はみられなかった。 本研究結果より、現対象者での日常の自律神経バランスは、主要栄養素の摂取バランス、入眠時間との関連が推察された。しかしながら、咬合力との関連はみられなかった。今後、対象者を増やし、自律神経活動と身体・食生活状態との関連について、更に明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、31名の研究対象者を募ることができ、おおむね順調に研究を遂行することができた。しかしながら、自律神経測定条件の予備実験に時間がかかり、研究対象者が予定の人数より若干少なかった。今後の調査研究の見通しもたち、平成29年度以降の研究に貢献できる進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度においても新規に研究対象者を募り、初年度と同様の調査研究を遂行する予定である。その上で、平成28年度の結果と併せて解析をし、ストレスとの関連を総合的に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
自律神経測定の予備実験に時間がかかり、唾液中のストレス関連マーカーの測定ができなかったこと。また、咬合力測定機器に関しても、科学研究費補助金申請時の際に購入予定としていた機器が製造中止となり、購入できなかった。研究分担者とのデスカッションを予定していたが、日程調整が困難となり、メールや電話でのディスカッションにしたため、旅費の支出が少なくなったことも理由として挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、唾液中のストレス関連マーカーを測定予定である。さらに、調査研究が効率よくできるよう、機器等も揃え、研究環境を整えていく予定である。
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Research Products
(9 results)