2019 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between masticatory ability and objective stress assessment in young Japanese women
Project/Area Number |
16K00914
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
桑野 稔子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (20213647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 広子 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (60438190)
橋本 彩子 京都女子大学, 家政学部, 講師 (70781813)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 咀嚼能力 / 自律神経活動 / ストレス / 食物摂取状況調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
咀嚼は、ストレスを軽減させる効果が明らかとなっているが、個人の咀嚼能力とストレスとの関連についての報告は少ない。そこで、本研究の目的は、咀嚼能力、客観的ストレス評価(唾液コルチゾール、自律神経評価)、食物摂取状況、食・生活習慣との関連について調査研究し、咀嚼能力におけるストレスとの関連について多角的に検討することである。 最終年度となる本研究の対象者は、最終解析対象者がサンプルサイズの計算による目標対象者数の20%増の80名となった。統計解析は、ロッテキシリトール咀嚼チェックガムの咀嚼前後の色の変化をΔEで評価し、研究対象者をΔE75%ile未満(咀嚼能力の低値)群(59名)、ΔE75%ile以上(咀嚼能力の高値)群(21名)の2群に分類し、アセスメント結果(身体計測値、血圧測定、握力測定、咬合力測定、食物摂取状況調査、食生活・生活習慣など)の2群間の差の検定、ストレス負荷時における自律神経機能の経時的変化の差の検定を行った。 咀嚼能力によるストレス応答について、自律神経機能では、ΔE75%ile未満群は、安静時と比較し、ストレス負荷後、10分後にLF/HF-MEMが有意な上昇が継続したのに対し、ΔE75%ile以上群では、安静時と比較し、ストレス負荷後、10分後には有意な差は認められなかった。また、唾液α-アミラーゼ活性では、ΔE75%ile未満群は、安静時と比較し、ストレス負荷5分後に有意な上昇を示したのに対し、ΔE75%ile以上群は、有意な変化は認められなかった。これらのことから、咀嚼能力の高い対象者は、心理的ストレスを生じてもすぐにLF/HF-MEMが低くなり、平常に戻ることが確認され、ストレスにより生じた交感神経の興奮の抑制に高い咀嚼能力が影響している可能性が示唆された。以上のことから、咀嚼能力を高めることは、ストレスの緩和に貢献する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)