2019 Fiscal Year Research-status Report
獣害から獣財へ:シカ・イノシシのイメージ変容を促進する食肉製品生産システムの解明
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16K00916
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
星 英之 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (30301188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 通典 大阪樟蔭女子大学, 健康栄養学部, 教授 (30582324)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アンケート調査 / ジビエ / 消費者 / 飲食店 / ニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究成果により、獣害が問題となっている長崎県対馬市では、シカ・イノシシ肉を用いた給食を食べている小中学生において、シカ及びイノシシに対する印象が改善されていることが示された。そのため、シカ・イノシシ肉を用いた料理(ジビエ)の提供により、「獣害から獣財へ」の意識変容が進むと考えられるが、対馬市内では、ジビエを提供する店舗が限られている。そこで、長崎県対馬市の住民・観光客 (消費者) 及び飲食店経営者 (飲食店) の、需要側と供給側の双方を対象に、ジビエのニーズを調べる目的で令和元年9月9日~9月12日にかけて調査票によるアンケート調査を行った。 消費者へは事前に許可を得た対馬市の4店舗のスーパーマーケットの店頭で、飲食店へは事前に電話で28店舗に依頼し、調査の協力を得た17店舗で調査を行った。 調査票によるアンケート調査を138人に実施し、ジビエへの関心、ジビエの喫食経験、外食の頻度、食べたいジビエのメニューなどについて回答を得た。 飲食店については、調査依頼を行った全28店舗のうち、同意が得られた17店舗に対してジビエ提供への関心、ターゲットにしている客層、1日平均の客数、提供したいジビエのメニュー及び価格などについて回答を得た。 獣害が問題となっている対馬市において、地域住民のシカ及びイノシシに対する印象は悪いものの、ジビエを食べたことのある回答者のうち65%がジビエが美味しかったと回答していた。 また、常温で保存可能なシカ肉加工製品の製造方法を確立する目的で、シカ肉をレトルト殺菌する際の硬化を防ぐことができ、かつ臭みを取り除くことができる下処理方法検討し、その方法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
獣害が問題となっている対馬市において、シカ・イノシシ肉の消費拡大に向け、消費者と飲食店を対象としたアンケート調査を行った。消費者のジビエへの関心、食べたくないと考える理由、飲食店のジビエ提供への関心、提供を妨げている要因について明らかにすることができた。 また、シカ肉のレトルトパウチ加工食品の製造方法を確立した。レトルトパウチ加工食品は、常温で保存可能であることに加え、具材に地域の特産品を取り入れることで地域の特色を出すことができるため、お土産としてさらに価値を高めることができると考えられた。 その一方で、報告書、論文作成・投稿が遅れている。そのため、進捗状況を「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間を令和2年度までに延長し、報告書・論文作成・投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
対馬市役所の協力により、無料の宿泊施設が活用できたこと、配布回収を自分たちで行ったことにより人件費・謝金の支出を抑えることができた。また、報告書、論文作成・投稿を来年度に繰越したことにより次年度使用額が生じた。 次年度使用額については、報告書・論文作成・投稿に活用する予定である。
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Research Products
(3 results)