2020 Fiscal Year Research-status Report
獣害から獣財へ:シカ・イノシシのイメージ変容を促進する食肉製品生産システムの解明
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16K00916
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
星 英之 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (30301188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 通典 摂南大学, 農学部, 教授 (30582324)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シカ肉 / 衛生状態 / 国産ジビエ認証 / トレーサビリティ / 食中毒起因菌 / 野生獣肉 / 利活用 / 通信販売 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により、対面での調査等が著しく制限された。 そこで、ネット通販されているシカ肉の衛生状態を調べる目的で、国産ジビエ認証施設(以下 認定施設)と非認証施設のそれぞれ7店舗からシカ肉を購入して微生物学的調査を行った。 国産ジビエ認証は、「より安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図ること」を目的としており、認証施設で生産されたシカ肉は、衛生水準及びラベル表示によるトレーサビリティを確保していると考えられる。そこで、認証施設が非認証施設の生産するシカ肉と比較して、衛生状態及びラベル表示やトレーサビリティが優れているか調査した。 通信販売で購入可能な認証施設及び非認証施設、それぞれ7店からシカモモ肉を購入した。非認証施設は、認証施設と近隣の府県にある店舗を選定した。購入したシカ肉は、衛生状態を比較する目的で、一般細菌数、大腸菌群数及び食中毒起因菌であるサルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌(EHEC)、カンピロバクター菌について調べた。その結果、国産認証ジビエ認証施設と非認証施設との比較では、一般精勤数及び大腸菌群数には差が認められなかった。サルモネラ属菌、EHEC及びカンピロバクター菌はいずれのサンプルからも検出されなかった。 国産ジビエ認証制度に定められた表示内容のうち大きな違いが認められたのは、金属探知機による異物確認(認定施設 2、非認定施設 0 が表記)とトレーサビリティの二次元コードまたはURLの表示(認定施設 5、非認定施設 1 が表記)だった。非認定施設でも認定施設と同等の衛生状態を確保しており、衛生的な処理が行われていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
進捗状況がやや遅れているとしたのは、新型コロナウイルスの感染拡大により、著しく活動が制限されたためである。本来、2020年度に学術誌への研究成果投稿を予定していたが、教育活動を優先する必要があったため研究の推進がやや困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに得られた成果を学術誌に投稿・発表することを中心に行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、教育活動を優先せざるを得なかった。そのため、2020年度に学術誌への投稿・掲載に充てる研究費が次年度使用額として生じた。 2021年度は、次年度使用額を学術誌投稿関連に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)