2017 Fiscal Year Research-status Report
科学技術コミュニケーション分野におけるケースメソッド教育プログラムの研究開発
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16K01001
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石村 源生 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任准教授 (90422013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 慎市郎 グロービス経営大学院大学, グロービス経営大学院, 准教授(移行) (90773797) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ケース / メディア / 表現行為 / 機能性 / 逆算性 / 学習体験のデザイン / 創作行為 / ケースライティング |
Outline of Annual Research Achievements |
ケースはあくまで「教材」である。ケースはいわば、読者の「学習体験」をデザインするためのメディア、表現行為なのである。小説の創作などにおいてもジャンルや書き手によっては読者の体験をどうデザインするかということが強く意識されることはあろうが、ケースライティングの場合はそれが極めて明確に、自覚的に行われているといえよう。 つまり、読者の学習体験をデザインすることに特化した「機能性」と「逆算性」が、ケースという表現を特徴づける重要な要素である。読者の学習体験をデザインすることに特化した「機能性」と「逆算性」が、ケースという表現を特徴づける重要な要素である。そういった意味でケースは極めて特殊な「表現」であり、ケースライティングは極めて特殊な「創作」行為であると言える。 一方、ケースには小説、戯曲、ノンフィクション、ドキュメンタリー、新聞記事などとの共通点も見られる。 この特殊性と共通性を詳らかにすることによって、創作行為としてのケースライティングの本質を描出しうるとともに、他の創作行為、他の表現の研究や批評、鑑賞に対しても何らかの示唆を提供できると考えるものである、と位置づけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健康状態を損ね4ヶ月病休を取得していたため、その間の研究活動を休止せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究広報の実務を題材にしたケースを作成し、模擬授業、ならびに研究者を対象としたFD研修にて教材として使用し、その効果を評価する。さらには、ケースを学習者自身が作成する方法論を確立する。
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Causes of Carryover |
体調不良のため4ヶ月休職し、その間研究活動を行うことができず、それに比例して科研費の使用額も少なかったため。 今年度の使用計画については、昨年度予定していた海外で開催されるケースライティングならびにケース・メソッド教育のワークショップへの参加、ケース・メソッド教育を用いた授業内容記録用のデジタルカメラ、デジタルビデオ等の購入、授業の運営補助、データ分析補助のためのアルバイトの雇用等に予算を充てる。
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