2016 Fiscal Year Research-status Report
知識・スキル・マインドの涵養により学生が主体的に取り組む人間中心デザイン教育
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16K01096
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
大塚 友彦 東京工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (80262278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 知彦 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (00446238)
田中 晶 東京工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (20578132)
金澤 亮一 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (30390553)
永井 翠 東京工業高等専門学校, 電子工学科, 助教 (60591154)
林 丈晴 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (70637264)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 知識教育 / スキル教育 / マインド教育 / 人間中心デザイン教育 / 15歳からの工学教育 / インターンシップ / 卒業研究 / ものづくり基礎工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、人間中心デザイン教育の事前教育として、知識教育、スキル教育およびマインド教育を実践し、その教育効果を実証する。 知識教育では、高専1年生実験実習科目「ものづくり基礎工学」において、早期に学生の「学び方」、「批判的思考力」および「判断力」を熟達させる教育の有効性を実証し、その成果は、工学教育系学協会論文誌に採録された。これまで予備研究してきた15歳からの工学教育において、学生のモチベーション維持・向上のため、学生への主観的価値の伝承方法、達成への予期の伝え方、学びをサポートする環境整備を実際の授業に導入し、実験的にその有効性を実証できた。モチベーションを維持・向上することで、さらに、学習行動の方向、強度、持続性、質を向上させる効果も改善されることを期待している。 スキル教育では、デザイン教育の基礎となるジェネリックスキルを熟達させる。ここでは、高専4年生科目「インターンシップ」と5年生科目「卒業研究」において、「部分的な要素スキルの獲得」し、次に「獲得した部分スキルを統合」し、最終的に「統合されたスキルを適時に応用」レベルまで段階的に教育する手法を実際の授業に導入し、有効性を実証した。その成果は、工学教育系学協会論文誌に採録された。 マインド教育では、早期に人間中心デザインの原動力となるマインドを涵養し、その有効性を実証する。ここでは、15歳からの工学教育において、実際の社会問題についてグループ討論することで、人を突き動かす社会問題への憤りや正義感、前向き思考、チャレンジ精神に裏打ちされた強い情熱を涵養する効果を実験的に実証した。その成果は、工学教育系学協会論文誌に採録された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って、概ね順調に進展している。現在、スキル教育やマインド教育において、教育効果の評価や改善のため、学生の成長を評価する指標が必要となっている。初年度では、第三者機関のジェネリックスキル測定テスト(PROG)にて学生の汎用能力の成長評価を試みた。
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Strategy for Future Research Activity |
第三者機関によるジェネリックスキル測定テストでは、結果を教育改善や学生にフィードバックするために1カ月程度の遅延が生じる。この遅延は、教育効果を損ないかねないことも、これまでの検討で見出されてきた。そこで、今後は、独自の汎用能力測定テストの開発を行い、学生の汎用能力の状況を迅速に測定し、教育改善や学生の主体的学びの促進にフィードバックできるよう新たなアイデアを検討したい。
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Causes of Carryover |
スキル教育ならびにマインド教育の教育効果測定のため、第三者機関によるジェネリックスキル測定テストを実施した。今回、第三者機関テストを利用するのが初回であったため、当初の計画よりも学生数を絞って実施したため、予定よりも繰越金が多くなった経緯がある。 また、統計分析の一部を外部有識者に依頼して行う予定であったが、分析手法の確立も含めて研究代表者が行ったため、謝金の必要がなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
スキル教育ならびにマインド教育の教育効果測定のため、次年度は、第三者機関テストの受験生を増やす予定であり、繰越金のうち受験料相当はそこでなくなる予定である。 また、ジェネリックスキル測定テストの統計分析を外部有識者に依頼せずに済んだ分、次年度以降は統計分析専用のコンピュータ等の購入を予定し、そこで繰越金のうち謝金予定の予算は消化される予定でいる。
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Research Products
(9 results)