2019 Fiscal Year Research-status Report
教科・科目を横断した学生の共通学習特性の研究-ビッグデータ解析による実証的検証
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16K01106
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
佐藤 眞久 愛知大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (30143952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 竜哉 桜の聖母短期大学, その他部局等, 教授(移行) (70624542)
湯川 治敏 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (40278221)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 共通学習特性 / 学習特性群団 / 特性ベクトル / 潜在的基礎学力 / 思考・判断・表現力・計算力・理解力 / 潜在能力 / 学習指導 / 代数的手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
教科・科目を横断した学生の共通学習特性を特性ベクトルを用いて代数的に見いだしていくことが本研究の大きな目的である。最終年として研究に加えて、新しい学修観や教育観に沿った提言「学力の3要素を見据えた数学教育ー高大接続としての数学教育の新提案」を研究成果を踏まえて行った。ここでは、計算中心の高校での数学教育を理解中心の数学教育に改め、高校と大学での数学が統一が取れた一貫した教育になるよう提言し、大学での数学教育と一貫性が取れる具体的な高校での指導の例示を行った。 研究面では、特性ベクトルを用いた学生の潜在的基礎学力の可視化手法を開拓した。潜在的基礎学力を、学校教育の中で特別な方法を開拓し調べるのは時間的にも現実的にも難しい。定期テストやプレイスメントなど学習過程で通常行っているデータから、学生や生徒が持っている潜在的基礎学力が測れるなら、学生に取っては、この情報は勉学の進め方を自ら探るのに役立ち、指導する教員もデータと実証に基づいた指導や助言ができるメリットがある。今年度の研究では、これが大きな成果である。手法としては、定期テスト等の問題を、思考・判断・表現・計算力(または理解)で測り、この数値を特性ベクトルとして分析を行い、潜在能力を可視化している。正解の点数よりなる特性ベクトルとは明らかに差異が見られる。重要な結果は、教科に依存すること無く、思考・判断・表現という潜在能力に差異は見られない点が実証されたことである。これは生徒・学生の学習指導に新しい道筋を与えるものと期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年が最終年度で、学習特性を見いだす研究内容についてはかなりの進展がなされた。 特に、どのような局面で特性ベクトルを用いて分析するのが良いのかが解明されてきており、その数学的根拠も代数学的な考察で与えられたことは大きな進展でる。 本年の研究成果を踏まえ、関連研究との交流をはかるための研究会を予定していたが、 コロナ感染の影響で研究集会を次年度に持ち越した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画では、本年度最後に成果の発表と関連研究者との研究の応用と検討を兼ねた研究会を開催する予定であった。同時にこの研究会で関連研究との交流をはかり、特性ベクトルの有用性を研究者に浸透させ理解をはかり、学習特性を見いだす今後の有力な分析方法として研究者に定着させていく予定であった。しかし、コロナ感染の影響で研究会が開催できなかなったので、感染が終息して安全が確保できた段階で、上記の計画を実施する。 また、1年間研究期間が延長されたため、より実証的な研究を行っていくことを計画している。課題としては、大学も含め教育機関の閉鎖で実証を行うデータが取りにくいことがあり、過去のデータを取り出して検討を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
本年2月に予定していた研究集会が、コロナウイルス感染の影響で開催できず、次年度に開催することにしたため。
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