2017 Fiscal Year Research-status Report
小学生の継続的な学習が可能な手芸や工作を活用したプログラミング教材の開発と普及
Project/Area Number |
16K01141
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
吉田 智子 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (60329977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 章 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (10263336)
中西 通雄 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30227847)
松浦 敏雄 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 教授 (40127296)
宮下 健輔 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (50289138)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情報教育 / プログラミング教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どもから大人まで、誰にとっても身近な手芸や工作の作品制作をプログラミング学習に取り入れることにより、小学生のプログラミング学習を継続しやすくすることを目的としている。 2020年度からスタートする新しい小学校学習指導要領には、「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」が盛り込まれた(文部科学省、2017)。この中では、児童がプログラミングを体験する部分のみが強調されているが、本研究チームは、コンピュータ上でプログラムを動かすことだけではなく、コンピュータの仕組みなどを含む情報科学も合わせて学ぶことで、教員や親もプログラミング教育に興味を持ちやすくなり、小学生の継続的な学習が可能になると考えた。 そこで、本研究の二年目となる2017年度は、コンピュータを使わずに体験的に情報科学が学べる「アイロンビーズやUVレジンを使ったオリジナル教材」を開発し、小学生とその親向けのワークショップなどで利用し、教材の有効性を検証した。 そのうちの一つが「【親子で体験】かわいいモノ作りでコンピュータの画像のしくみを学ぼう!」と題して、2017年11月19日(日)に実施したワークショップで、60組の小学生と親の両方を満足させる目的で行った。参加者の親子に対するアンケートでは、保護者の98%、児童の92%が「コンピュータの画像のしくみがわかった」と答えた。また、「楽しさは10点中何点か?」という質問に対して、平均9.22点という高得点を得たことから、教材の有効性が検証できた。 このオリジナル教材は、本研究の課題である「小学生の継続的なプログラミング学習を可能にする」と言えるため、引き続きこの教材を充実させ、プログラミングが学べる部分との連携も強化して、普及していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において開発することが予定されている「小学生の継続的なプログラミング学習を可能にする教材」の原型が出来上がり、今後はこのオリジナル教材を充実させ、プログラミング教育へ発展させて普及していくことで、研究目的を達成することができると考えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に書いた2017年度以降の計画は、「小学生向け教材システムの詳細設計」、「実験授業の実施」、「教育利用者情報交流サイトの構築」、「学習者への教育効果の検証」の4項目であった。 これらのうちの「小学生向け教材システムの詳細設計」が昨年度まででほぼ達成できたので、今年度は「実験授業の実施」と「教育利用者情報交流サイトの構築」の部分に注力し、最終年度となる来年度に「学習者への教育効果の検証」を経て、教材を普及させていくという研究目標を達成したい。
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Causes of Carryover |
昨年度の研究活動が、地元である京都および近隣の滋賀県や大阪府などを拠点としたものが中心となり、交通費や宿泊費があまり必要なかったことによる。さらに、教材として利用するマイコン機材が安価になったことや、UVレジンの材料やアイロンビーズなどの工作・手芸材料やケーブルを百円均一の店で調達することが可能となったため、物品費を計画より大幅に削減することができた。 来年度以降は、研究代表者だけではなく、研究分担者や研究協力者の海外出張も含めて、研究活動を活発にするための費用として利用したい。
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