2017 Fiscal Year Research-status Report
計算力学的視点に立脚した不発弾安全化処理のための避難マップの作成
Project/Area Number |
16K01305
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
比嘉 吉一 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 教授 (20335368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井山 裕文 熊本高等専門学校, 機械知能システム工学科, 教授 (40300660)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 土壌動特性 / 島尻マージ / ジャーガル / 数値シミュレーション / ライナープレート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,計算機シミュレーションにより得られる定量的なデータに立脚した「不発弾処理時の避難半径」を決定することを目的としている.具体的には,不発弾の大きさ,弾頭形状および土壌特性の違いを精緻にモデル化し,これらを導入した数値シミュレーションモデルによる計算機実験を通して,避難半径を決定・提案する.さらに,防護壁(ライナープレート)の設計・施工方法についての計算機シミュレーションを通して,積極的な避難半径の縮小化を目指す.
研究2年目では,沖縄県固有の土壌であるジャーガルならびに初年度に実験により明らかにした島尻マージの2種の「土壌動特性」の違いが,一次破片の飛散挙動に及ぼす影響について検討を行った.具体的には,前年度に算出を行った島尻マージの土壌動特性を導入した数値シミュレーションを実施し,炸薬量(50,125,250,500kg)の違いにより,一次飛散物の飛散状況を「粒子速度ベクトル分布」ならびに「粒子密度分布」の動画およびスナップショットによって土壌動特性と炸薬量に固有の一次飛散挙動の可視化を行った.これにより,土壌特性の違いに依存した一次破片飛散距離を推定した.さらに,防護壁(ライナープレート)を設置した数値シミュレーションモデルを作成し,ライナープレートの形状,直径および出口面積に依存する一次破片の飛散挙動について検討を行い,出口直径を2/3とすることで,おおよそ30~50%の一次飛散物を抑制できることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究目的としていた島尻マージの動特性を導入した数値シミュレーションについて,不発弾の炸薬量,弾頭形状に依存した数十例の計算機実験の実施は行い,粒子速度ベクトル,粒子密度分布を可視化することは出来た.しかしながら,既往のジャーガルの土壌動特性との比較検討ならびにライナープレート施工における一次飛散物の抑制効果の検討については不十分であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では,(1)ジャーガルおよび島尻マージの土壌動特性の違いが一次飛散物の挙動に及ぼす影響について検討を行い,(2)ライナープレート施工による一次飛散物の抑制効果についても検討を進める.さらに,得られた粒子速度データを地理情報システムへ導入することで,(3)仮想避難マップの作成を行う.
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