2019 Fiscal Year Annual Research Report
A method of activating deep-brain networks for maintaining higher-order cognitive ability under extreme states of stress and clinical applications
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16K01307
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片桐 祥雅 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 上席研究員 (60462876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 靖弘 放送大学, 教養学部, 准教授 (10422403)
瀬藤 乃理子 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (70273795)
坊垣 友美 東京純心大学, 看護学部, 教授 (00469545)
光吉 俊二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (30570262)
小野 くみ子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (30467667)
矢野 美紀 広島都市学園大学, 健康科学部, 教授(移行) (80347624)
今井 絵美子 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (20827589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 交感神経亢進 / 心拍数 / 途中覚醒 / ノルアドレナリン / 炎症 / 鉄代謝 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
シフト勤務看護師の虚血性心不全リスク増大の要因としてストレスホルモンによる保護作用のない夜間での交感神経亢進が考えられたことから、心拍数の常時モニタリングにより睡眠時の突発性心拍上昇の発生の可能性を検証した。その結果、心理的ストレス負荷があるときには、平均55/minの安静時心拍数が100/minまで上昇することが頻回に生じることを確認した。ストレスによる不眠により頻脈が12時間以上継続することを確認した。こうした心拍数の亢進はノルアドレナリンによるもので、随伴する炎症が誘導され得ることが考えられた。 炎症の直接的原因を運動時にも生じるミトコンドリアの過活動に伴う活性酸素産生のみに帰着させることには無理があった。そこで臨床像で明らかとなっている鉄酸化ストレスに着目し、長年にわたる過剰な鉄蓄積が重篤疾患の主要リスク因子であると考えた。鉄はトランスフェリンと結合し細胞に導入されミトコンドリアに供給されるとともに余剰はフェリチンとして蓄積する。安静時ストレス印加状態では、赤血球新生抑制、トランスフェリン受容体亢進により細胞内の鉄濃度は上昇する一方、ミトコンドリアの鉄需要は上昇しないことから、細胞内で鉄蓄積と鉄酸化ストレスが亢進する。この影響は、出血性貧血のない閉経後の女性に顕著であると推察された。過剰な鉄の蓄積はメチレーション異常により特発性ヘモクロマトーシスを誘導しうることから、糖・脂質代障害により発現するバイオマーカ―の変異により検知されることなく重篤疾患リスクが増大すると考えられた。 一般健康診断での血液像ではHb及びMCVから貧血を鑑別しているがフェリチンによる鉄過剰の評価はほとんど行われていない。看護師の健康診断においては、フェリチン高値から高リスク者を鑑別し、核磁気共鳴画像法による主要臓器(心臓、肝臓等)の鉄過剰蓄積状態の追加検査からリスク評価を行う必要があろう。
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Research Products
(1 results)