2016 Fiscal Year Research-status Report
コンテキスト・アウェアネスを活用した眼底画像からの血管解析法と病変検出法の開発
Project/Area Number |
16K01415
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
畑中 裕司 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00353277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 良 山形大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301067)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 眼底 / 時系列データ / 高血圧 / 自動抽出 / 自動分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
循環器検診の目的で行われる眼底検査はディジタル化されていて、ビッグデータとして蓄積されると重要な非侵襲生体データとなり得る。しかし、現状では眼底画像のデータベース化、読影作業は精度管理や時間的・人資源的な効率が確保されておらず、蓄積された大規模データとして十分に生かされる環境にない。本研究では、過去の症例解析から得られる病変の特徴、眼底の経時変化、年齢、血圧などの検査値などの大規模な情報から眼底画像解析に有用な情報をコンテキストと定義し、それらを最大限に活用した血管解析法、病変検出法、経時変化解析法を開発することを最終目的としている。 当該年度は、その基礎技術として、動脈抽出処理の開発、時系列眼底画像のレジストレーション、および画像データの収集を計画し、実施した。 動脈抽出について、最初に高次局所自己相関特徴を基本とした特徴量をニューラルネットワークで処理することによって、血管を抽出した。次に、濃淡形状特徴を用いたニューラルネットワークによって、動脈と静脈を自動分類する処理を行い、本研究項目を実現した。血管の抽出精度が約94%、動静脈の分類率が93%の結果を得た。 時系列眼底画像のレジストレーションについては、Iterative Closest Pointアルゴリズムを中心とした処理を開発した。10組20枚の時系列眼底画像を用いて、時系列眼底画像の血管の対応付けを評価したとき、9組の時系列眼底画像で問題なく行えた。 最後に、健診における136組の時系列眼底画像を収集した。データは、2009年と2013年に共に健診を受診した被験者で構成される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動脈の自動抽出処理と、時系列眼底画像のレジストレーション処理の開発については、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
構築したデータベースについて、2009年時点で後期高齢者0%、中期高齢者3.7%の被験者で構成される、若年層と中年層が大半を占めるデータベースと成った。極度な症状を有する被験者が含まれないことから、計画している血管の蛇行度の解析が困難である見込みである。例えば、収縮期血圧と動静脈口径比の関係を調べるなど、解析可能な所から研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
当該年度の所要額を概ね執行したが、少額が端数として残金となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の研究成果を基本とした論文投稿を計画しており、その費用として補填する予定である。
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Research Products
(9 results)