2019 Fiscal Year Annual Research Report
Underpining mechanisms of fuinctional disability of patients with mild cognitive decline
Project/Area Number |
16K01483
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
小田桐 匡 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (30388904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 俊彦 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 副チームリーダー (50397543) [Withdrawn]
上田 敬太 京都大学, 医学研究科, 講師 (60573079)
葛谷 聡 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30422950)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 軽度認知障害 / アルツハイマー病 / IADL / 眼球運動 / 注視 / エラー分析 / 遂行機能 / 作業記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】認知症者やその介護者においてQOLに最も影響する1つは生活機能の障害である.生活機能は認知機能障害の影響を強く受ける.したがって認知機能低下のより早期の段階から発症メカニズムを特定し焦点化した予防介入方法の開発が急がれる. 【目的】早期アルツハイマー病患者(早期AD),軽度認知障害者(MCI)を対象に,潜行する生活動作の変化の有無や特徴,その背後にある認知メカニズムや神経基盤について,眼球運動指標,行動分析,神経心理学的検査,脳撮像を用いて分析する. 【方法】生活機能に関連する各種神経心理学的検査,脳撮像,机上で実施可能な一連の手段的日常生活動作(IADL)におけるエラーと眼球運動の分析を行った.特に後者では,目下使用しないが後々の操作場面で使用する対象への事前注視(先行注視)を視空間性作業記憶の指標として質的量的観点から分析した. 【結果】神経心理学的検査では,全般的認知機能検査,記憶検査において患者群で低下を認め,早期AD群では遂行機能検査や高次視知覚検査でも成績低下を認めた.脳撮像データは現在分析中である.IADL遂行時のエラー数は,早期AD群,MCI群とも有意に健常群より低下していた.先行注視数では健常群と比較し,MCI群,早期AD群ともに低下は認めなかったものの,エラー数と先行注視数との個人内相関を求め比較したところ,早期AD群は健常群よりも有意に高い傾向を示した. 【考察】比較的単純なIADLにおいても,MCI群の段階からわずかな障害が存在する.しかしながら,視空間性作業記憶との関連性は考えにくい.むしろアルツハイマー病患者の生活機能障害に本認知機能の障害が影響していると予想される.具体的には,視空間性作業記憶の絶対量が減少するよりも前に,エラーに繋がる間違った操作対象への先行注視が生じるといった質的変化が起こっていることが予想される.
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Research Products
(2 results)