2018 Fiscal Year Research-status Report
手足への軽度の体性感覚刺激が自律神経系に及ぼす効果
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16K01487
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Research Institution | Kiryu University |
Principal Investigator |
煙山 健仁 桐生大学, 医療保健学部, 准教授 (90535171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 隆志 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (90011030) [Withdrawn]
李 虎奎 新潟工科大学, 工学部, 准教授 (80440006)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 体性感覚刺激 / 自律神経 / 交感神経活動 / 副交感神経活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、手足への軽度の体性感覚刺激が自律神経系に及ぼす効果を明らかとするため、実験動物(ラット)の手足へ定量的に刺激できる装置を開発し、ラットの自律神経機能を記録して解析することを目的とする。平成30年度は、ラット手足へ負荷する体性感覚刺激の条件を検討するためラット手足を温めたときの腎交感神経活動と胃迷走神経活動を記録した。さらに、ラット手足を温めたときの白色脂肪組織を支配している交感神経活動を記録した。また、平成28・29年度に引き続き、ラット手足へ圧力と温度を制御できる定量的な刺激装置の開発を行った。 ラット手足への体性感覚刺激の条件の検討では、軽度の体性感覚刺激を温度とした。Sprague-Dawleyラットを対象とし、ウレタン麻酔下にて実験を実施した。簡易的な温度刺激としてホットパッドを用い、ラット手足の温度を40℃前後(非定量)に温めたときの腎交感神経活動、胃迷走神経活動と白色脂肪組織支配の交感神経活動を記録した。手足を温めると腎交感神経活動と白色脂肪組織支配の交感神経活動は低下し、胃迷走神経活動は増加した。手足を温めると白色脂肪組織支配の交感神経活動は抑制され、脂肪分解減少または脂肪合成増加に影響を与えることが示唆された。 ラット手足へ圧力と温度を制御できる定量的な刺激装置の開発では、平成29年度に開発する刺激装置の構成を大きく変更した。刺激装置は、刺激端子部がX軸・Y軸・Z軸方向に移動可能な仕様とした。刺激端子部の構造はねじ締結とし、実験条件に合わせて部品を変更可能な仕様とした。平成30年度にて刺激端子部や制御システムの開発を進めてきたが、これらの開発が遅れ、研究期間の延長を申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラット手足への体性感覚刺激の条件の検討では、手足へ温度刺激したときの腎交感神経活動、胃迷走神経活動と白色脂肪組織支配の交感神経活動を記録し、手足への温度刺激が自律神経系に影響することが示唆された。 ラット手足へ圧力と温度を制御できる定量的な刺激装置は、平成29年度に仕様を大きく変更したため、刺激装置の開発が当初の計画予定より遅れた。刺激装置の圧力負荷に関する機構は完成したが、制御プログラムの開発や温度刺激に関する機構の開発が遅れている。このことから、定量的な温度刺激の機能は、開発した刺激装置とは別の機構として付加することを検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット手足へ圧力と温度を制御できる定量的な刺激装置を完成させ、刺激装置を用いて、ラット手足へ定量的に軽度の体性感覚刺激したときの自律神経機能を記録し、解析する。これまでに刺激装置の圧力負荷の機構は完成したので、すみやかに刺激装置の制御系について調整する。
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Causes of Carryover |
ラット手足への定量的な刺激装置の開発が遅れ、装置を用いた実験が遅延した。このため、実験に用いる消耗品、試薬などの支出が減少した。また、平成30年度は、日本国内で開催された国際会議にて研究発表したため、旅費の支出が減少した。 次年度は、ラット手足へ圧力と温度を制御できる定量的な刺激装置を完成させ、刺激装置を用いた体性感覚刺激の自律神経系へ及ぼす効果を検討するための実験消耗品に使用する。また、国内や国際会議発表の旅費などに使用する。
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Research Products
(1 results)