2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K01516
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
勝平 純司 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (00383117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松平 浩 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (10302697)
山本 澄子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (30302102)
四津 有人 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30647368)
大村 優慈 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 助教 (40709094)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60401064)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 体幹装具 / 脳活動分析 / 歩行分析 / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は三次元動作分析装置等から得られる身体表現マーカとfNIRSから得られる脳内表現マーカを融合した歩行評価手法を確立し,体幹装具Trunk Solution(TS),Gait Solutionを含む脳卒中片麻痺者が使用する装具の効果判定に応用することを目的とする.当該年度の研究実績について,以下に記す. 当該年度において注力したのは,fNIRS装置を用いたトレッドミル上の歩行計測の信頼性と妥当性を高めることであり,動作時のNIRSによる評価および血流動態分離法を用いた解析方法のノウハウを蓄積した.頭部やセンサーの揺れの影響については血流動態分離法について除去することができたが,より正確なデータを得ることを可能とするため,静止状態と歩行状態を繰り返し,静止状態のデータを基準として歩行状態の脳活動を分析するブロックデザインを構築した.三次元動作分析装置の発する赤外線がfNIRS装置の脳血流の計測についてノイズを発生させてしまうため,同期計測を行った際にノイズを低減する工夫について検討した.上記の方法を用いて健常若年者10名を対象としてTSの有無による,トレッドミル上の歩行時の脳活動計測を実施し,脳活動の解析を行った.また,得られた結果について解析するために解析用のアルゴリズムを構築した.具体的には得られた脳活動を脳座標上に適切にプロットするための仕組みを構築し,今後計測後迅速にデータ解析を行うための準備を行った.本年度に計測したデータを構築したアルゴリズムを用いて解析した結果,TS装着により脳の特定の領域の活動に変化がみられることを確認した. 三次元動作分析装置を用いた重心位置計測や関節角度の算出などについても実施し,身体表現マーカについても同時に分析が可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に身体表現マーカと脳内表現マーカの計測を行うための準備が整った.また,当初は3から4名を対象として,脳活動を計測する予定であったが,被験者数を10名まで増やしてデータを計測し,TSの有無が脳活動に与える影響を確認することができた.懸案事項として,当初は実験室の床上で片麻痺者を歩行させて脳活動を分析することを検討していたが,ノイズの影響や転倒リスクの低減の目的からトレッドミル上で計測を実施することを検討する必要に迫られたことが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に計測や解析に関するノウハウについて蓄積することができたため,次年度以降は脳卒中片麻痺者を対象とした計測を実施する予定である.我々が当初想定していたよりもfNIRS装置を用いた動作計測に時間がかかり,被験者の負担が大きくなりやすいということがわかった.脳内表現マーカと身体表現マーカを同時に計測することは可能であることがわかったが,我々のこれまで科研費を受けて行った研究の成果で,身体表現マーカの計測を行い,細かな運動学,運動力学的な分析を実施し,TS使用が歩行に与える効果についてはすでに明らかになっていることから,被験者の負担を最小限にするためにfNIRS装置を用いた脳活動の計測に注力していくことを考えている.
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Causes of Carryover |
当初脳機能解析を3~4名で実施する予定としていたが,計測を10名まで増やして行ったため,解析にかかる費用の申請に時間を要したことや脳機能解析に注力したため,身体表現マーカの計測に協力する研究分担者の費用申請が行われなかったことが上げられる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
10名を超える被験者を計測し,解析にかかる費用の申請は次年度の研究開始時に速やかに行うため,問題はない.また,次年度は身体表現マーカを含めた脳機能解析を行うため,分担者の研究費用も必要となる.
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