2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of thermal environment and microclimate during sleep by modeling the heat balance between human body and beddings
Project/Area Number |
16K01589
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
森 郁惠 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90415753)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 和代 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70222221)
佐古井 智紀 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (70371044)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 睡眠環境 / 寝床内環境 / 寝具の熱的性能 / 被験者実験 / 皮膚温 |
Outline of Annual Research Achievements |
人の健康で快適な生活に関わる睡眠時の温熱環境をより適切に形成・制御することを目的に、人体の熱収支(体温調節)と寝具の特性や使用実態を考慮した寝床内温熱環境をシミュレートするモデルを構築するため、寝具の素材による熱的性能の違いや人体へ及ぼす影響について、サーマルマネキンを用いた計測実験および過去に実施した被験者実験の結果について引き続き分析を進めるとともに、睡眠時の人および寝床内温熱環境の詳細なデータを得るため、追加的に夜間の睡眠被験者実験を行った。また、一般的な寝室以外の環境における睡眠時の寝床内気候や生理応答の状況を把握するため、避難所等の日常的ではない空間や寝具等を想定した実験も実施し、結果を取りまとめた。 具体的な結果として、冬季を想定した寝具による実験では、寝具全体の熱抵抗値は、ウールが5.6[clo]、ポリエステルが6.2[clo]であり、寝具全体の熱抵抗値に大きな差はなかった。一方、被験者実験の結果では、前額皮膚温は就寝30分後および60分後でウールの方が優位に高く、呼気による吸湿放熱の特性が発揮されていることが確認された。夏季を想定した被験者実験の結果では、体重変化から算出した就寝中の発汗量が、有意差はないもののウールの方が少ない傾向が見られた。着衣外湿度は、ポリエステルでは着衣内外湿度に大きな差はなかったのに対し、ウールでは着衣外の方が高い傾向が見られ、冬季同様に素材が持つ吸湿性能の違いが発生したと考えられる。 本研究では実態を再現するモデルの構築までは至らなかったが、今後とも、これらの結果をふまえ、日常生活で想定される寝具の素材特性と組み合わせや使用方法が寝床内気候へ及ぼす影響についてさらに検討するとともに、現象をシミュレート出来る寝具-人体の熱収支モデル構築を進めたいと考えている。
|
Research Products
(2 results)