2017 Fiscal Year Research-status Report
有限要素シミュレーションによる接地中の足部内で生じる力学現象の解明
Project/Area Number |
16K01677
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
石井 秀幸 立教大学, コミュニティ福祉学部, 特任准教授 (40534730)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 有限要素解析 / 接地 / 足部内挙動 / 医用画像 / 形状抽出 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,瞬間的な衝撃力が足部に作用する着地やスポーツ動作における接地中の足部内部で生じる力学現象を解明することを目的とし,有限要素モデルを作成して,材料特性などを変化させた着地および走行動作における接地のシミュレーションを行う. 当該年度には,骨,軟骨,靭帯,腱などの足部の内部構造を考慮した有限要素モデルを作成するために,医用画像から抽出した足部表面,骨,アキレス腱の3次元形状データを有限要素ソフトウェアAbaqus/CAE(ダッソー・システムズ社/本研究費で年間ライセンスを延長購入)にインポートした.これらの形状を用いて軟骨と軟組織をモデル化し,さらに靱帯,腱,足底腱膜をモデル化した.有限要素モデルの各部位には個別の材料特性を割り当てるとともに,摩擦の定義,荷重の定義などを行った.初期条件として,足部モデル全体に,実験の接地直前における足部質量中心速度および足部角速度を与えた.試しに解析を実行し,有限要素モデルの問題点を洗い出す作業に取り組む段階まで研究を推進することができた. 本研究を推進することで,着地,歩行および走行動作の接地中における足部の骨の3次元的な挙動とそこで生じる力学現象を明らかにできる可能性がある.さらにシミュレーションによって,材料特性などの変化が,着地衝撃応答や歩行・走行動作に影響を及ぼすメカニズムを検討することも可能である.これらの結果は,障害発生予防,パフォーマンス向上,製品開発に寄与する可能性があるという点で意義のあるものと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
有限要素モデルの作成過程において,軟骨,軟組織,靱帯,腱,足底腱膜のモデル化,摩擦の定義,荷重の定義などは,試行錯誤しながら適当な方法を検討する必要があった.現在はまだ有限要素モデルの作成途中であり,当該年度に予定していた有限要素モデルの妥当性確認を実施できていない.試行錯誤を繰り返したため,申請時の研究計画よりやや遅れているが,研究を着実に進展させることができたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,まず足部の内部構造を詳細に考慮した有限要素モデルの作成を進める.具体的には,材料特性の割り当て,荷重の定義を行い,さらに着地および走行動作の実験の接地直前における足部の位置・姿勢に足部モデルを配置する.その後,地面反力データおよび運動学データについて,有限要素解析結果を実験結果と比較することによって,有限要素モデルの妥当性を検討する.妥当性が検証されたモデルを用い,材料特性などを変化させて着地および走行動作における接地のシミュレーションを行う.
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Causes of Carryover |
平成29年度の直接経費は合計1,344,469円であり,有限要素ソフトウェアAbaqusのサポートコンサルティングと年間ライセンスの合計1,243,814円との差額として次年度使用額100,655円が生じた. 平成29年度の直接経費請求額のうち次年度使用額は100,655円,平成30年度の直接経費請求額は650,000円,これらの合計は750,655円である.平成30年度は,有限要素ソフトウェアAbaqusの年間ライセンスで約750,000円を使用する計画である.
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