2017 Fiscal Year Research-status Report
精神的・肉体的疲労が運動時の認知-運動制御と機能別動作に及ぼす影響に関する研究
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16K01684
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
河端 隆志 関西大学, 人間健康学部, 教授 (90195131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 伸午 関西大学, 人間健康学部, 教授 (10169310)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 運動 / 認知ー運動制御 / 疲労 / ストループテスト |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、スポーツ・シーンにおける疲労とパフォーマンスとの関係に着目し、長時間最大下運動時に引き起こされる身体的疲労・精神的疲労が視覚情報による認知-運動制御(集中力・注意力・判断力・思考力)に及ぼす影響について統合的に解析を行った。 プロトコルは、休憩2分―最大下運動(65%VO2max)の自転車駆動運動20分―逆ストループテスト1分を1セットとし、これを連続して3セット行った。実験は人工気候室内で行われ、環境設定はTa:25℃、RH:40%とした。 ストループテストの解析として、認知-運動制御(集中力・注意力・判断力・思考力)の代理変数に逆ストループテストの正答率、無回答率、平均正答時間の3項目を用い、安静時と各運動時テストにおける平均の推移と回帰分析による検証を実施した。 その結果、安静時と比較して、各運動時テストにおける無回答率が低下し、正答率では、増加がみとめられた。また、平均正答時間については、安静時に比べ早くなった。しかし、反復的な運動によって微減であるが無回答率は増加し、正答率が低下する傾向がみられた。平均正答時間では、運動序盤に早くなったが徐々に正答までに時間を要した。 以上のことから、運動による「認知」機能の有意な改善がみとめられた。このことは、インプレーで判断・決断、その後の動作において、適切かつ素早い反応を可能にしていることが示される。しかし、無回答率の増加、正答率の低下、さらに平均正答時間の遅れは、長時間最大下運動によって、疲労・疲労感が引き起こされたと考えられる。つまり、運動は認知機能を高め、正確な判断・決断ができると考えられる。しかし、長時間最大下運動時では、身体的疲労・精神的疲労を引き起こし、認知-運動制御(集中力・注意力・判断力・思考力)が低下し、パフォーマンスを妨げる可能性があるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究は、当初に予定していた計画通りに進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、計画通り最終年度としてのまとめおよび研究成果の発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた研究発表のための経費を今年度で使用するため。
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